M-076 ティンクルビーム
ティンクルビーム
3wayレーザー
「なにしてるんだ? コントローラーなんか持って」
例の如く声をかけるのは舟長。
そして、聞かずにはいられない不審者行為をしているのは魔法使いだ。
彼女は、紙と鉛筆とコントローラーを持っていた。
「3wayレーザー作ってる」
「3way、はいいとして、レーザー?」
「ビームみたいなやつ」
「レーザーとビームは一緒にしちゃいけねーとオレは思うよ」
レーザーとビームの違いが分からない女、魔法使い。
そのまま認識が混濁したまま、魔法の作成を続ける。
「3wayというか分裂して攻撃するのはブルーファイアでやったから、そこからパクってくるとして」
「当たったら分裂して追撃するファイアボールのことですね」
説明しよう。
ブルーファイアとは、ホーミングの次に追加される特殊攻撃:多段ヒットを持つファイアボールだ。
敵を取り囲むように弾が戻ってくるので、防御するのは難しい。
「レーザーってなんだろ。魔法とレーザーって同居できるの?」
「ファンタジー世界に似つかわしくない単語ではあるな」
「まだビームの方が敷居が低くて作りやすそう」
「おいおい」
とうとう分からないからって主旨の変更まで打ち出した。
ビームだって何がどうして直線状に発射されるのか、分からない代物であるというのに。
「それ、レーザーも同じこと言えるよね」
「地の文に突っ込むんじゃねぇ」
魔「ティンクルビーム、SP消費100。使用者の正面に丸い球体が三つ出てそこからレーザーがまっすぐ飛んでいく」
舟「結局ビームなのか、レーザーなのか」
魔「壁に当たる、もしくは敵に当たると軌道が曲がるから、これはレーザー」
舟「生粋のファンに怒られそうな説明だな」




