M-072 クリーンアップ
クリーンアップ
掃除魔法
「この時期っつったら大掃除、ですよね」
魔法使いが口に出したことは、SKのメンツを震撼させた。
「お……おま、やめろよ、急にそういうこと言うの」
「大掃除? 構わないけど、魔法使いちゃん掃除苦手だよね」
「12月の風物詩か。おれは物を持たないから関係ないな」
「大掃除って窓ふきしたり草取りしたりすることだろ?」
主に舟長がグラグラ揺れたようだ。
「掃除が苦手じゃなくて、整頓が苦手なの!」
「たぶん、現代人の意味合いとしてそんなに変わらないと思います」
「あー、こらこら。現代人とか言わないの」
魔法使いは言い訳を口にするが、誰にも受け取ってもらえない。
「なんでおまえらはそんな乗り気なの?」
「そりゃあいつもは掃除しない魔法使いさんを、この機にキリキリ働かせて他のとこも掃除してもらうためさ」
「アイヤー、そういうのはなしでお願いするでござる」
「アイヤーっつったら語尾はアルよ、だろ。なんだよござるって」
「ジャパニーズパフォーマンス?」
「そういうことを言いたいんじゃない」
舟長がやる気満々なパーティーメンバーに疑問を投げかけるが、明確過ぎる答えは新たな火種を産んだ。
雑談という名の脱線だ。
「じゃあ、物は試し、早速やってみる?」
アサシンが明るく宣告を告げた。
魔法使いは逃げ出した。
斧「しかし まわりこまれてしまった!!」
魔「わたし、『しかし逃げられなかった』って言ってくれるゲームしかしたことないアルよ」
舟「今更アルを拾わんでもいい」
ア「魔法使いちゃーん。掃除しましょー」
魔「ぎゃーす!」




