表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
65/527

M-063 プロフェッサーガウン


プロフェッサーガウン

ただのコート




「学者っていうと偉ぶってる人ってイメージだけど、学ぶ者って書くんだからもっと敬虔な態度でもいいと思うの」

「おう、そうか」


 魔法使いが長ったらしい台詞を吐き始めたときは、華麗にスルーするのがよい。

 何故ならば……。


「えっうん……そうなの」

「今から素材集めしにいくけど、着いてくるか?」

「なに採るの?」

「糸とか樹木系素材」

「一人で行けるよね?わたしの火力必要ないよね?」

「おまえ、ここんとこ運動してないだろ。太るぞ」

「エナフォ。じゃあ行くかぁ……」


 食い付きもしなかったことに驚いて、次の話題に流されるからだ。

 因みに魔法使いがエナフォと唱えたとき、意味合いは死ねと同義である。舟長はもう少し婉曲な表現を使うべきでしたね。


「うわ、外寒い」

「魔法使いって割りと重装備な印象だけど。ローブとか着込んでるし」

「ローブの下に普通に服来てるけど、ローブ風通し良すぎて寒いで」

「そうか。オレも寒いからなんか着よう」


 コートや上着を着込む二人。

 暖かい格好になった魔法使いを見て、舟長は突っ込まざるを得ない状況に追い込まれた。

 すなわち、大爆笑である。


「な、なんだよ、それ!」

「なにが? 暖かいよ」

「いや、暖かいだろーけどよ、なんでそんなゴッツイの着てんだよ!」

「わたしのプロフェッサーガウンを馬鹿にしたね?」

「プロフェッサーガウンは服装備だろ、ややこしい名前付けんな」


 魔法使いが着ていたのは重厚なコート。

 ハードボイルドか、探偵なら着ていても違和感がなかったかもしれないが、着ているのはヒョロヒョロの魔法使いである。

 どう頑張っても似合っているとは言えなかった。


「ややこしくない! わたしのプロフェッサーガウンだもの」

「ずってるから。今からなら間に合う。別のを着てこい」

「むー。格好いいからいいじゃん」

「身体のサイズにあってないのは格好よくないぞ」


 魔法使いはとうとう諦めた様子で、家に入っていく。

 次、出てきたときには、旅人のマントのようなものを纏っていた。


「お、似合ってんじゃん」

「プロフェッサーガウン!」

「は?」

「よし、おーけー」

「ちょい待て、なんだこれ」

「プロジェクションマッピングだ!」






魔「旅人のマント、パッと見涼しそうだけど、内側にふかふかの布地をつけてあるから暖かいの」

舟「なにそれハイテクだな」

魔「旅人のマントだから、一応舟長も着れるよ。貸さないけど」

舟「てめえ」

魔「旅人のマントに流れるようなプロフェッサー模様。素敵じゃろ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ