M-059 ヒューマンクエイク
ヒューマンクエイク
局地的な地震
「ぬおー、悔しい悔しい悔しいー!」
地団駄をする魔法使い。
何が悔しいのかというと、たぶん何も悔しくない。
じたばたする魔法使い。
「何やってんだよ……」
「地響き?」
「それだ!」
「それだってどういう……」
「地響き魔法を作るぞ!」
「どうぞ作ってください」
「舟長も手伝うよね?」
「えっなんで」
拒否権がある訳でもないので、舟長は強制連行された。
斧戦士は勝手についていった。
「どんどんどごーん」
「何やってんの?」
「魔法作ってる」
「いや、絶対作ってない! 歌ってるだけだろ!」
「こういうのはインスピレーションが大事だって本に書いてあったもの。イメージを固めないと、魔法は撃てないのだよ!」
「そういう世界観だっけ? 術式とスペルとSPさえあれば撃てるんじゃないのか」
「そうだね。でも術式を作るために明確なイメージが欠かせないんだ」
「マジでか。で、歌ってるのはイメージに繋がりそうか?」
「いまいち……」
いまいち効率の悪い魔法使いである。ひと昔前のリアクションのせいで、おでこから血が出ている舟長にヒールを施す魔法使い。
ピコーン!
電球マークが点滅している。
何かいいことを思い付いたみたい。
「足から発動して波紋のようにハウリングしよう!」
「オレに分かる言葉で話してくれ!」
「足を地面につけることによって発動させる魔法らしいな」
「なんで分かる訳?」
「おまえらとは年季が違うからかな」
魔「人工クエイクの完成だ!」
舟「地団駄を踏むと超高速で波の違う地震が来るんだな。こわい」
魔「地面を踏んだ衝撃で円状に地割れのようなエフェクトがでるよ。それに触れると立っては居られないような振動と音が襲ってきて敵はみんな、うつぶせ!」
斧「人工クエイク縛りでも大会で優勝できそう」
舟「禁術になるわ」




