M-055 ファイアファイヤ
ファイアファイヤ
二倍攻撃
「二回撃てば二倍になるはず」
「なにがだ」
「魔法の攻撃がだ」
今日も今日とて、自信満々に言い切る魔法使い。
よもや否定されるだろうなど、全く思ってない雰囲気だ。
「三回撃てば三倍!」
「そうかな、こういうたくさん撃てるタイプの攻撃って、一回のダメージが低めに設定されてる気がするんだけど」
「シャーラップ!」
「何故英語」
アサシンに図星を刺され、瀕死になる魔法使い。
まだ終わるもんか、と気合いで復活し、意を決して舟長に魔法を放つ準備をする。
「おい、待て。人に向かって魔法を撃つな」
「?」
「言い方が悪かった。パーティーメンバーに向かって魔法を撃つな」
「ああ、なるほどね! でも、ごめん。もう唱えちゃた」
「知ってる」
ドーン。
派手な音ともに火の玉が二つ舟長に突っ込んだ。
床を巻き込む大玉だったのに、部屋には傷一つなかった。ま、魔法の炎だから熱くないんだよ。
「いてえ」
「あれ、生きてる。ヒールあげるね」
「サンキュ」
「まだ、改良が必要かなー」
「オレに撃つのはやめろよ?」
斧「ダブルメル」
魔「それ以上言っちゃダメだ!」
舟「またパクり……いや再現魔法か」
魔「攻撃魔法なんざエナフォあれば一撃だもの」
※エナフォ=エナジーフォース/魔法使いが得意とする無属性魔法。強い。
舟「少しは考えろ!」




