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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
516/527

D-63 オブジェクトカース


オブジェクトカース

物体ヒールがあるなら




「物体アタックもあるべき。そう思わないかね?」

「誰に向かって話しかけてんの?」

「今話しかけてきた君に向かってだ!」

「くそ、罠か!」


 舟長と魔法使いがいつものお約束をこなしている頃。

 背景に紛れる斧戦士とアサシンはこんな会話を交わしていた。


「うーん、学園が終わって色々ネタが思いついて良かったね」

「あのね……時系列とか色々無視した発言しないでほしいんだけど」


 そうとは知らぬ魔法使いは、呑気に舟長に向かって持論を展開している。

 舟長は大人しく話を聞いていたが、そろそろ逃げないと魔法の実験台になる予感しかしなかった。

 だが、この件に妙に聡い魔法使いが獲物を放してくれる訳がなく。

 舟長はそれがどどん、と床に置かれるまで自分の未来を想像しては怯えなければならなかった。


「それ……粘土か?」

「そうだよ。今回の魔法にぴったりでしょ?」

「物理アタックとかなんとか言っていたが、物理なら魔法は関係ないだろ?」

「舟長……、話をちゃんと聞いてこなかったね? 物理じゃなくて物体だよ。前にオブジェクトヒールって作ったでしょ? 物を回復できるなら、物を傷付けられる魔法もあるべきじゃない?」

「物だけを? 普通の攻撃でこと足りるんじゃ……まあいいか」


 オブジェクトヒールは『M-097 オブジェクトヒール』を参照のこと。

 すっげえ前に作った魔法だね。何? リアル時間で考えるな? はい。


「それにね、これを使うとオブジェクトヒール以外の回復方法では、傷が消えなくなるんだ」

「また斧戦士あたりが改悪しそうな魔法を作って……知らねーぞ」

「改悪? これは粘土を造形するための魔法だよ?」

「今おまえが言ったんだろ。オブジェクトヒール以外では治せない傷を作れるってな。呪術師。アサシン、悪党どもどいつもこれを使いたいだろうよ」

「よく分からんけど、とりあえず、世に出す前にみんなに相談したほうがいいってこと?」

「ああ。まあそれでいいだろ」


 しかし、事態をよく理解していない魔法使いはまだ楽観視していた。

 これはきっと世の中の役に立つ魔法なのだと。みんなに賛同してもらえるだろうと。






魔「タトゥーを入れるのに使います」

舟「平和的ッ!」

魔「民族的刺青をしてる人に安易にヒールを使っちゃいけないらしいよ」

舟「ああ、ヒールで刺青が消えるかもしれないんだったな」

魔「どうせ禁止しても勝手に斧戦士さんが使うでしょ」

舟「ぐっ、言い返せねえ!」

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