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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
510/527

D-57 スマートスキル

 

スマートスキル

略してSS




「ねえ、舟長聞いて!」

「ノックぐらいしろと何度言ったら分かるんだよ!?」

「これ、超カッコいい技名みたいじゃない!?」

「聞け!」


 ドアを優しく開け、舟長の部屋に侵入した魔法使い。

 手に持つ端末にはカタカナの羅列が表示されている。


「ここ異世界!」

「うるせー! ファンタジー小説って文字列にもカタカナ入ってんだろ!?」

「どんなキレ方だ!」


 互いに息切れをしながらのやり取り。

 ふと、会話が止まり、二人は冷静さを取り戻す。

 そうだ、目的を果たさなければ――。


「それでね、このカタカナの羅列が――」

「恋人がいる身なら少しデリカシーを持て!」


 舟長のいつもの怒声に、それぞれの恋人が扉の近くに現れた。

 なかよくそっと部屋を覗き込む。

 もっとも魔法使いも舟長も隠そうとしていないので、部屋の外に立つだけで十分会話は聞こえるのだが。

 舟長は何度も説得を試みていたようだが、次第に声が小さくなっていく。

 興奮状態にある魔法使いは目的を終えるまで、決して相手を離さないのだ。


「はあ……とりあえず聞いてやるよ」

「じゃあ、聞いてね」

「分かった分かった。分かったから早く言えよ」

「ダイアログオープンセレクトフォルダ! って勢いよく言うと技名みたいじゃない?」

「……ダイアログオープンセレクトフォルダ?」

「うん」


 舟長はそんなことのためにオレは拘束されたのか? と空しくなった。

 随分と時間を浪費したなあと諦めの境地に到りかけてふと、意味を考えた。

 ダイアログを開き、セレクト……選択する。何を? フォルダを。


「フォルダ選択のダイアログを開く!?」

「イエス」

「ここはファンタジー世界です!」

「何を言う! 端末が存在するなら、ダイアログだって存在するはずだ!」

「つーかこの端末なんだよ!? どう見たってスマホじゃねーか!」

「舟長、メタい話はNGだよ!」

「こっちのセリフだ!」


 『D-47 ドロップシーフ』にて誰も突っ込まなかったので認知されているものかと。


「飛行船がオーパーツってことでありなら、この端末だってオーパーツでありだ!」

「ぐっ……確かにそうだが……」

「ところで、ダイアログオープンセレクトフォルダって技名っぽいかな?」

「いや、そうでもないんじゃねーかな」

「わたしもそう思う」






斧「DialogOpenSelectFolder」

魔「ちょっとカッコいい」

舟「ネーミングセンス皆無だな」

ア「元ネタ世界観からして科学が発達してたから、絶対端末ぐらいあるよ」

剣「銀行の画面とか超サイバーチックだもんな」

モ「あれ、ホログラム的な技術なんだとずっと思ってたわ」

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