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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
507/527

K-5 エンシェントデザイン5

500話記念おわり。


エンシェントデザイン5

こういう話が好きなんだ、すまんな




 さて、最後は……満を持して登場、魔法使いの裏設定だ!

 いつもに増してメタ成分ましましだから気を付けてね!


「何をいまさら……」

「ふっ、あとで吠え面をかかないことだな」

「それ、言ってみたかっただけだろ」

「何故バレたんだろう」


 こんな雰囲気に騙されず、気を付けていってね!


「メイジちゃんの裏設定? あたしは知り合ったばかりだから、見当もつかないわね」

「いや、ボクだってよく分かんないよ。作者的黒歴史ならいくらでもある気がするけどね」


 創作する者あるある:昔の書いた話が黒歴史。

 創作する人はね、黒歴史を増産しながら成長していくんだよ。

 だからこれ以上は聞くんじゃない。

 嘘です、黒歴史だらけなのでそれ以上掘り下げないでください。


「昔書いたBL小説はまだ描写があった話でもする?」

「やめて! この話、やめよ? やめよう!」


 主に作者が悶絶する話ってところを蒸し返さなくていいので。

 魔法使いが怒りか焦りで顔を真っ赤にする。

 いいねえ、純情、初心だねえ……あ、そういうことではない? はい、分かりました。


「おほん。斧戦士さんに三人の分体がいるように、彼女にも三人の分体がいるんだよ」

「ん? 彼女にも? おまえにじゃなくてか」

「そう。わたしは三人の分体の一人、魔法使いの彼女、略して魔法使いです」

「略したっていうか後ろが削れたっていうか」


 斧戦士には、トキワブラザーズという斧戦士を含めた過去未来現在の斧戦士がいる。

 斧戦士がゲシュタルト崩壊だね。

 それと同じように、魔法使い――厳密にはトキワブラザーズが信奉する『彼女』と呼ばれる女性にも、チェリルシスターズともいうべき存在が確認されている。


「一人目はわたし。彼女が成りたい自分を固めたわたし。対になるのは斧トキワさん」

「え……こんなへっぽこでいいのか、自分」

「へっぽこでもみんなに愛されればいいんじゃないでしょうか。明るいキャラになりたいんだって」

「明るいというかうるさ……」

「自己主張ができる人間になりたいと言ってました」


 余計なことばかり言う舟長はしまっちゃおうねー。

 しまった、この家洋式だからお仕置き部屋こと、押入れがないわ!

 とりあえず縛っちゃったもんは仕方ないから、そのまま置いとこう。

 なんかほどけなくなっちゃったし。


「二人目は、上辺のわたし。彼女わたしが元気ないときに彼女わたしを代わりにする彼女わたし。対になるのは黒トキワさん」

「その人見たことないな。いや、斧戦士と違って外には出かけないタイプか」

「黒トキワと対なの? じゃあ、彼女たちのなかでも過激派ってことね」

「彼女絶対守るウーマンなとこが似ているとか聞きました」

「発言は過激だけど、実行には移さない優しい人なので、全然過激派じゃないよ」


 斧戦士の発言に魔法使い以外の全員が黙り込む。

 そりゃあ、お前からしたらな、とか、それほんとに優しいのか、とか。

 言いたいことはたくさんあったに違いない。

 しかし、冒険者として命のやり取りをしてきた彼らは賢かった。

 にこっとして、何も言わなかった。


 言えば、真っ二つになって転がっている舟長のようになるのは、明らかだったからだ。

 なお、うかつに発言して死んだ舟長は剣士が蘇生した。


「学ばない奴だなあ。馬鹿なの? ちゃんと死んでる?」

「ガムテープいる?」


 恋人と、魔法使いの恋人から馬鹿にされた舟長は黙って首を振った。

 だが、舟長の青い目は頑なで、今後も同じことを起こすだろうことが想像できる。


「死亡フラグが!」

「おまえが立てたんだろ!」

「回収早いですね」


 再び転がった舟長の死体は誰も蘇生しなかった。

 スカイアドベンチャーは全員が死なないと、リスポーン地点にワープしないのだ。

 それに、死んでもどうせ喋れるのだから、蘇生するだけ無駄というものだ。


「えー、三人目は、プレイヤーのわたし。主にゲームをするときに動くわたしです。ちょっと頭いい。対になるのは、裏トキワさんです」

「裏トキワもとあるゲームを遊んでいたときにできたキャラだからね。あと人を操るのが得意で、ちょっと斜に構えてるところも似てる」

『絶対、人を操る、のニュアンス違うぞ』

にんげんプレイヤーの違いだろうね」

「えへへ」


 えへへ、じゃないが。

 斧戦士さんよ、そんな邪悪な笑みでは可愛くないぞい。


「なお、頭いいのはゲームに関するとこだけだよ。あとは察してください。わたしも攻略に詰まったときはよく彼女に聞くんだー」

『ああ、それで……っていだだだだだ!』

「うん? どうしたの?」

「おれは死者の力も使えるからね。ちょっと幽体離脱している魂をゴリゴリ削ることぐらい造作もないんだよ。舟長、言葉には気を付けろよ?」

「なんだ、さっき披露した裏設定を積極的に使っていく斧戦士さんだったのか」


 なんて説明的な口調なんだ!

 これには作者なわたしもびっくりだぜ!


「じゃあ、四人目ね。斧戦士さんと対だよ。便宜上、作者のわたしとでもしておこうかな。彼女こそ彼女オブ彼女。斧戦士さんたちが彼女っていうときはほとんどこの人だよ」

「作者のわたし……上の地の文の人か!?」

「ずいぶんと陽気だけど……十分明るく見えるわ」

「うーん、たぶんこれは元気のいい時の彼女だね。実質元気なくても、上辺のわたしが代行してるから元気あるかどうかなんて分かんないんだけど」


 イエーイ! みんな見てるう?


『なんだこの陽キャ』

「あまり彼女が傷付くようなこと言うとひどい目に遭わせるぞ」

「子どもを誘拐する悪いおじさんみたいなセリフだね」

「確かに! がおー! 悪い斧戦士さんだぞー!」

「急に怖くなくなる不思議」


 しかし、実際酷い目に遭うので、そこらのおじさんと間違えてはいけません。


「彼女はね、基本元気なくて、暗い心象世界的なところで娯楽と心の安らぎを探して、ずっと体育座りをしているよ」

『体育座りは重要なのか?』

「元気ないことを知られたくないから、泣いてるのがばれないように体育座りをしていると聞きました」

「それで、ここからが彼女の能力。心の安らぎのために小説を書いているよ。書かれた小説は彼女の元で管理されながら現実となり、彼女はそのお話を見て笑ったり泣いたりして楽しんでいるよ。と言っても彼女は管理者だから、その世界に降りることは滅多にできなくて、その真っ暗な空間に置いてある無数の水晶玉みたいなところから映像を見ているんだ」

「ん? じゃあもしかして、今もおれたちを見てるのか?」

「うん。魔導研究所は見てると気持ちが上向くってさ」


 たのしいです。


「なんたって、彼女の分身たるわたしが大・大・大活躍してるからね!」

「それはもう伸びやかに。ここは、彼女にとって理想的な世界なんだ」

「舟長、黙っててね」

『なにも言ってねーだろ!』

「彼女は舟長のキャラを気に入ってるから、そのままでいいと思うよ」

『オレに死ねと!?』

「草」


 そうは言ってないよ。

 死んだ方が定石的な感じでおもしろいかなとは思ってるけど。

 まあ天丼ネタもあんまりするとつまらないもんね。


「ここで重要なことを一つ話すけど、彼女は世界の書き手であり、管理者なので、自分が書いたものについてはいくらでも操作が効くんだよ。例えば、この展開つまらないなってなったら書き換えれるし、最悪、この話書けないなってなると世界ごと破棄されるよ。具体的には書いてるファイルとかノートとかを捨てちゃうね。だから、いわゆる世界の意志さんごっことか神さまごっことかもできるよ」

『明らかに重要なのは最後の一文じゃないだろ!?』

「たぶんやってみたいと思ってるから、今度やってみる?」

「その場合、斧戦士はどっち側につく訳?」

「彼女が望むほうに。おれVSおれVSおれ、みたいになるけど、まあいっか」


 おれVSおれVSおれVSおれじゃないのは、斧トキワは戦力レベルが足りてないからです。

 一般人からしたらセーブモードの斧戦士と同義なので、かなり強いのですが。


「はあ。敵にも味方にも斧戦士がいるなら、それは全力を出して戦うしかないみたいだね」

「ちなみに彼女が満足したら、話的に締まってなくても急に終わります」

「それ小説としてダメなやつ!」






魔「ノートブレイク! 時は遡る!」

斧「ノートビリビリ! 世界破滅!」

魔「ノートチェンジ! 新世界創造!」

斧「ノートデリート! 登場人物は消える!」

舟「うわあ……」

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