K-2 エンシェントデザイン2
500話記念そのに。
エンシェントデザイン2
すべてを暴き出せ
「黒歴史大放出回、二回目です」
「今日はボクの番だね。楽しみにしてたんだ」
「期待しててくれて嬉しいけど、実はあんまり話すことなかったり」
えっ、とアサシンが振り返る。
今日は趣向を変えて、飛行船内で話すスカイアドベンチャー。
場所はベンダーがいるサブラウンジ。
人が来ないのをいいことに、模様替えをして五人が座っている。
モンクはいない。
モンクは飛行船に備え付けられたキッチンで、今日のご飯を作っている所だ。
「割とアサシンは元ネタの元ネタに忠実じゃん」
「性別は?」
「彼女が元ネタの元ネタのことを女性だと信じてるから」
「なんだその思い込み……」
「でも別に男でも構わないって言ってた」
「最初、男設定だったのに性別不明になったからな」
「よし、どっちもいけるってことだな! 大丈夫だ!」
「こいつら……」
だってー! 大人アサシン完全に女の子だったじゃないですかー!
※キャラ名が出せないので、便宜上アサシン呼びです。
「ちゃんとお供のエリマキトカゲもどっかで登場させたし」
「ああ、特殊体質に興奮するカエル枠ね……」
「それを考えると、アサシンはまだ本気を隠してるってことか?」
「あ、そうか。こっちはエリマキトカゲが仮の姿だから、本気の幻覚を出すときはカエルにならなきゃいかんのか。ちょっとカエルの種類について調べとかないと」
「ヨミガエルとかでいいんじゃない? 羽根生えてるし」
「あーね。なんか黄色そう」
アサシンがフードを目深にかぶった。
左手に持ったダガーがわずかに震えている。
誰か聞き耳をどうぞ。
「心理学振ります」
「やらなくても分かるだろ!」
「ということで、アサシンの裏設定は、能力とお供です」
「どっちも既出だから裏ではないけどな」
「世間には隠している的な意味で裏です」
「性別は?」
「だから女の子だって言ってるだろ!!」
魔法使いの渾身の叫びに剣士が吹っ飛んだ。
アサシンは武器をしまい、頭の上にエリマキトカゲを乗っけた。
フードはまだ被ったままだ。
「アサシン、能力勝負か? 受けて立つぞ」
「そういえば斧戦士にも幻覚能力があったんだった。……って、おかしくない!? なんで王子属性の人が幻覚能力まで揃えてるの!? ボクのアイデンティティは!?」
「一能力一人までという決まりはないし、キャラの製作時期的に言うと、おれの方が先なので」
「メタい!」
「最古参と言っても過言ではない」
本当に過言ではありません。
「それに、斧戦士さんの幻覚はアサシンのそれに比べて応用は利かないし、幻覚って言うか、自分が起こした死に対する時間を巻き戻して、相手に死んだ経験を幻覚と見せかけることが得意なだけだし」
「で、でも、いつだったか、ボクが幻覚領域を展開したとき、明らかに斧戦士の幻術みたいなことがあったよ! ほら、魔法使いちゃんと一緒に家を見て回ったとき!」
「あー、あれは、時空の狭間に関する能力じゃないかな。滅多な人物がうかつに乗り込まないように普通は遮蔽するんだけど、あのとき領域の主が、アサシンちゃんの幻覚で一時的に上書きされて、遮蔽が無効化されたのだと思われる。壁の跡は……どうやったんだろう」
「壁の跡はレンガと漆喰で直してたんだけど、色がうまく馴染まなくて、認識を阻害するような魔法で誤魔化したんだよ。上位の認識書き換えによって下位の認識阻害が打ち消されたんだろうね。今はちゃんと直ってるから、幻覚領域を展開しても大丈夫だよ」
詳しくはM-329 リアルイリュージョンをチェックだ!
ゲートとか謎の部屋とか全部斧戦士のせいだったんだよ!
あ、知ってた? そうですか。ならいいです。
「で、何? その能力、いったいいつ身に付けたのかな?」
「それを話すと長くなる上に、それは斧戦士さんの裏設定だから、また今度ね」
「むー」
アサシンは、一度引き下がった。
しかし、いつか必ず聞いてやる、そんな風に目をぎらつかせている。
肉食系女子の誕生だ。
ハッピーバースデー。
「アサシンちゃんだって、幻覚能力の発現がいつかなんて答えられないでしょ」
「そうだね。どこで身に付けたって言われてもね、困る」
「元ネタの元ネタだろ」
「分かりやすく言い換えると、前世の前世のスキルを受け継いでいる」
話のネタから世界観、キャラ設定までパクリ……諸作品の参考でいっぱいだよ!
つまるところ、キャラクターのオリジナル成分はそこまで高くない……?
それは改変度が低いということ……しまった、元ネタと元ネタの元ネタがバレる!
「嘘つけ!」
魔「元ネタの元ネタに情報が少なすぎて、裏設定が作れなかった」
斧「妄想の余地がなかった」
舟「元ネタに至っちゃあ、ゲームのプレイヤーだから設定はそんなにないしな」
剣「最初からあっちこっち行ける系シナリオだから、設定は薄いな」
ア「まあ、そのせいで序盤はよく死にかけてたよね。最初から強いとこ行けるから」




