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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
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D-48 ダークサイド


ダークサイド

闇落ち斧戦士




「では、やってみろ。この手で偉大なる国父ちちを殺せるか!」


 あれやこれやあって、魔法使いが他国に召喚されてしまった。

 その国では魔力の高い者は、権力者の妻になるものと相場が決まっている。


 知力とSPの高さはスカイアドベンチャーでも随一な魔法使いは、現在寝室に居た。

 というのもこの国では、魔力は30歳までは増加するが、あとは減る一方、という間違った情報が信じられているからだ。

 さらに、魔力の高い者同士から生まれた子どもは高い才能を持つという思想も相まって、召喚された女性は魔力の高さ低さによって、階級の違う権力者と否応なく性行為をしなければならないのだ。

 召喚されたその日のうちに。


「汚らしい手で魔法使いさんに触れやがって。牢屋で後悔しろ」


 当然、過保護な恋人こと、彼女至上主義の斧戦士がそんなことを許すはずもなく。

 お楽しみの「お」の字も楽しめない状態で、戦闘に移行した。

 誤算だったのは、魔法使いを妻としたのはその国の王で、さらに誤算だったのは、斧戦士が一切身分を考慮しない性格だったことか。


 彼は死者となる前は一国の王子であり、兄と父に謀殺された経歴を持つ。

 兄と父が好きなものは、下種あるあるな、女、金、酒。

 いかにも好事家の見た目で恋人に迫る国王は、嫌悪の対象と言ってもいいかもしれなかった。


「これでもわしは戦場で名を馳せた王。その痩躯で何ができる。ハンデだ、素手で相手してやろう」

「そうか、では斧や銃や剣や槍を使って、貴様をまず一回殺す。死ね」


 などと言ってグーパンで殴るのが斧戦士である。

 あれ? 斧戦士ってなんだっけ? と思いたくなる光景だが、奴の攻撃力は700越え。

 武器の追加攻撃力などなくても、戦場から離れて久しい爺の顔などぐしゃぐしゃにできる。


 一発であごの骨を砕き、さらに斧で追撃、肩から袈裟斬りだ。

 どうっと倒れ伏す国王に、斧戦士はますます容赦ない。

 攻撃力750越えの片足を、どくどくと血の流れる腹の上に置き踏みつけた。

 さらに、どこから出したのやら、美しい水晶の剣をもう喋ることもできない国王に差し向けこう言った。


「よう、クズ野郎。気分はどうだ? おれはな、そういう愚かな人間に制裁を下して、懇願して怯える様を見るのが好きなんだよ」

「ひでえ趣味だ」

「言われてみれば、確かに」


 魔法使いに言われて、素直に頷く斧戦士。

 だが、残虐非道な行動は止まらない。

 彼の冷酷な性格もまた、彼女の意志、理想なのだ。


「まあいいや。世界征服できる系彼氏っていいよね」

「とりあえずこいつは、悪夢で仕置きしとくから、一旦帰ろうか」

「え? 生き返らせないの?」

「あーそうだな。おまえたち、必要ならば大陸の西に行け。蘇生術師がいるだろう」


 よほど腕のいいヒーラーでなければ、蘇生できるのは今日中が限度だがな。

 国王の側に控え、悪趣味な性行為を、悪趣味な惨劇を見守っていた兵士たちがどよめく。


 国王の死を死とするか、生とするかは、残った彼らの采配になる。

 その先を見て、おちょくるのも楽しいかもしれない。

 斧戦士はそう計画しながら、魔法使いを連れてワープした。

 目指すは、スカイアドベンチャーのお家だ。






魔「裏設定、没設定のオンパレード。大放出回です」

モ「なになに? 最後に使ってた剣は魔力に氷を纏わせたもの、という設定があります?」

舟「氷属性だったのか。てっきり闇属性かと……」

ア「しっかし、やってたことがアレとはいえ、容赦ないねえ」

斧「結局側近が蘇生させたみたいだから、あとで悪夢を見せに行くよ」

剣「ますます容赦ねえな」

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