表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
467/527

D-19 アヴェンジャー


アヴェンジャー

復讐論




「復讐は何も生まないってホント?」


突拍子もないことを言い始めた魔法使い。

仲間たちは怪訝な表情をする。

さっきまでお昼何にしようって、そんな話しかしてなかったのに。


「復讐したいの? 手伝うよ」

「なにさらっと共犯になろうとしてんだよ」

「おい、アサシン。ずるいぞ、その役目はおれがする」

「おまえもだよ、斧戦士!」


叱られたアサシンと斧戦士がそろって舌を出す。

反省の意は、まったく見られない。


「だって、何かのために起こした行動が、一切結果を生み出さないなんてあるの?」

「そうだな。一般的にも復讐は復讐を生むらしいから、何も生まない訳ではないな」

「らしいからって……実際生んでるじゃん。斧戦士はよく知ってるでしょ?」

「あれは魔法使いさんを害する者を消しているだけだ。そうだな、いわば……害敵削除というところか」

「復讐よりもっとジャンルがひでーよ」


なんか斧戦士が言ってるが、奴はそのスペシャリスト。

生半可な復讐では許さないから、新たな復讐も生まれないのかもしれない。

そんなことはともかく、倫理観の消失した冒険者たちは話を続ける。


「冒険者は人の家にあがりこんでものを盗ってくからな」

「モンスター化した元人間も倒しちゃうし。倫理観? なにそれ美味しいの?」


倫理観が末永く消失したままの冒険者たちは、復讐論へと移動する。


「それで、復讐が何を生み出すのか、だっけ?」

「負のループがなんたら」

「ぽぽぽぽぽ」

「魔法使いが壊れた!?」


突然発狂し始めた魔法使いはさておき、四人は復讐についてよく考えようとした。


「復讐は……とりあえずスッキリするな」

「そうなの? じゃあ、スッキリした人を生み出すね」

「いや、一般的には虚しさしかなくて、スッキリしないという噂だぞ」

「じゃあ、虚しさは生まれること確定なんだな!?」

「普遍的にはそうじゃね? 斧戦士は知らねーけど」


フツーの結論に辿り着いた彼らは、息を吐いた。

だって、オレ・ボクたち……復讐したことないし。

何か言いたげな斧戦士だけが、三人を見ていた。






斧「おまえらは復讐したいと思ったこともないのか」

魔「そうだぞ! うらやましい人生送りやがって!」

舟「斧戦士はともかく、魔法使いまでなんだ!? って痛た!」

剣「これは……豆!? そうか、ソイスロー!」

ア「なにこの流れ。ちなみにソイスローはM-053だよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ