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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
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D-18 ファイアー!2


ファイアー!2

愛のためというならば




「人って愛のために燃えるんだね」


 魔法使いが感心したその日の夜。

 そんな物理的な意味じゃないだろと思っていた舟長の元に、来客があった。

 魔法使いだ。

 何故か、アサシンも一緒だ。


「おやすみなさい」


 寝間着のまま現れた魔法使いに言って、舟長は即座に扉を閉めた。

 やっかい事は、遭遇しないに限る。

 しかし、安寧の刻はそう長くは続かなかった。

 舟長の部屋の窓が突如として割れ、斧戦士が悠々と現れたのだ。

 割れた窓の外から。

 斧戦士は無言で扉の方を指さした。

 どんどん、と扉を叩く音がする。

 扉の向こうでは、魔法使いがまだ諦めていないのだろう。


「魔法使いさんのお願いを聞きもしないとは何事だ」

「おまえこそ、どういう原理で窓から入ってきたの?」


 斧戦士は舟長の素朴な疑問を無視した。

 己が窓を突き破りながら侵入したことなどどうでもいいことだ。

 窓を割っておきながらワープして外に戻り、侵入をやり直したことなど。

 そう、どうでもいいこと。

 重要なのは、今も扉を叩き続けているであろう魔法使いの手だ。


「舟長、開けてー」

「ねえ舟長、開けて?」


 種類の違う声が舟長を苛む。

 前者はそう気にしなくて良いとしても、後者がやばい。

 あれは、キレているときの声だ。

 どこかおねだりをするときに似ているが、まずアサシンは舟長におねだりなどしない。

 成し遂げたいことは、すべて自分の力で。

 それがアサシンのモットーだからだ。

 そんな訳で、一般的に男が歓喜するべき声を聞いて、舟長は震え上がった。

 ここで扉を開けないと、自らの身がやばい。

 具体的には、いよいよもって振られる。


「あー、なんだその。何のご用ですか?」


 カギを開けた舟長に、魔法使いは言い放った。


「ねえ、舟長もアサシンちゃんのことが好きなんだよね。燃えてよ!」






剣「すげえ残酷な発言だなあ」

斧「怒り狂っているだろうアサシンの前で意志を見せるんだ、いいだろう?」

魔「これって、意志さえあれば燃えるんだ? すごいね」

ア「ねえ、まだ?」

舟「……ふ、ファイアー! ってあっつ!?」

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