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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
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D-14 マーケティング


マーケティング

売るでござる




 先日来た、スペルメイカー協議会の幹部ナオミ。

 彼女は魔法使いに公式の創術師スペルメイカー証明書を渡し、帰って行った。

 その際言われた言葉がこれだ。


「これであなたは、明日から魔法具が売れるよ。まずは五個ぐらい好きなものを選んでみたらどうかな」


 ということで、スカイアドベンチャーは大忙しだ。

 開店準備に夜更けまで頑張った魔法使いは、眠たそうに目をこすっている。

 二度の緊急会議の結果、売りに出す魔法具はこの五つに決まった。

 力の杖、大地の杖【ウィング】、ヒールボトル、クロースコレクション、カラージェム【虚】。

 最後に至っては、魔法具ではなく、魔法具のもと、ジェムの一種だ。

 使い捨てだが、なかに魔法が入っているか簡単に確認できる。


「初回だから、10個ぐらいでいいかな」

「在庫だろ? 正直、そんなに人が来るとは思えないが、妥当な線だな」

「アサシン、値札張り終えたぜ」

「価格は協議会が決めてくれるから楽だね」

「ああ。こういうのは安すぎても高すぎても価値が出ないからな」


 少し前に完成した、ヒールボトル。

 以前は大きな水晶玉に込められていたが、今日は少しデザインを変えていた。

 高級ポーションが入っていそうな、ガラスの瓶になっているのだ。

 これで戦闘中に握りやすいね、とは魔法使いの言である。


 ちなみに、力の杖ことレッド・ブルーファイアはM-004。

 大地の杖ことワープはM-014。ヒールボトルはD-10。

 クロースコレクションはM-287。カラージェムはM-212 ボムットに登場している。


「さて、そろそろ開店だね」

「おや? 玄関に誰かいるぞ」

「誰だろ? まだ知名度0でしょ? ボクら」


 不審がりながらドアを開けると、奇妙な二人組が立っていた。

 スカイアドベンチャーにはどちらも見知った連中だが、二人はそうでないらしかった。


「俺が一番最初に来たんだぞ」

「君は、少し……年長者に譲った方がいいんじゃないか」

「ロットさん、サラ! おはよう」

「あ、おはようございます」

「おはよう、チェリルさん」


 魔法使いに挨拶を返すと、二人は再び言い争い始めた。


「ルールは守るべきだぜ」

「ふ、ルールをも曲げるのが権力というものだよ」


 なんだかよく分からないが、意地汚い手段はよしましょう。

 慌てる魔法使いの横をアサシンが通り過ぎる。

 ダガーの光が一閃した。

 ロットとサラが回避行動をとって、仲良く玄関から落ちた。


「マナーの悪いお客さんには帰ってもらってるんだけど、君たちはどうなのかな?」

「あ、はい。おとなしくします」

「す、すまない……。大人げなかったです」


 二人は仲良く怯えた様子で、魔導研究所の入り口をくぐった。






魔「アサシンちゃん、すごい!」

ア「えっへん!」

斧「いやー、いつたたっ斬ろうかと思ってたけど」

舟「迷惑料盗ってやろうか」

剣「うちのパーティー、血気盛んなやつしかいねーな……」

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