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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
日記編(Dシリーズ)
458/527

D-10 ヒールボトル

 

ヒールボトル

束縛系リバイブ




「できたー!」


 魔法使いが嬉しそうに声をあげたのは、昼間。

 朝ご飯を食べ終わってからずっと取り組んでいた課題が終わったのだ。

 出来上がったのは、魔法具。

 魔法をアイテムに込めることで、SPが低い人でも使いやすくしたものである。

 それが故に、制限は多い。


 魔術師の立場を阻害しないために、あまり強い魔法は入れられない。

 汎用性の高い魔法は、効果や範囲を限定すること。

 込めるアイテムは、スペルメイカー協議会が決めたものだけ。

 新たな種類を開発した場合は、必ず届け出ること。

 魔法具を売るためには、協議会の承認を得ること。

 定期的な、協議会からの視察を受け入れること。


 今、魔法使いは、10個目のニュー魔法具を作り上げたところだ。

 没になったりお蔵入りになったりしたものも多いから、構想だけなら30個はある。

 とにかく、出来上がった魔法具の名は、ヒールボトル。

 込められた魔法はリバイブ。

 蘇生魔法だ。

 ヒールボトルの効果も蘇生だが、リバイブは汎用性の高い魔法。

 そこで魔法使いは以下の制限をかけた。


 蘇生対象は戦闘不能になった僧侶など、回復魔法・蘇生魔法の使い手のみ。

 蘇生魔法を覚える僧侶系のジョブをマスターした者は使用不可。

 必要SPは少し多めの50。

 一戦闘で一回のみ使うことができる。


 いわば、回復が途絶えたときの最後の切り札である。


「さーてと。実験、実験」


 魔法使いは、実際に使えるものになったか、検証しに行くことにした。

 真っ先に頼ったのは、魔法使いの大事な人であり、同じくアタッカーの斧戦士。

 彼を連れて、一階のリビングに降りると、舟長がいた。

 嫌がる舟長を問答無用で切り伏せ、さて、準備は整った。

 死体になって転がる舟長にヒールボトルを掲げ、スペルを唱える。


「ヒールボトル! ……あれ?」


 舟長は生き返らない。


「ヒールボトル! ヒールボトル!」


 何度か確認したが、舟長は生き返らない。

 SP消費もないということで、魔法具が発動していないことが分かった。

 悩む魔法使い。

 ふと、舟長が何か言っているのに気が付いた。

 死体は喋れないが、死体のすぐ上に浮かぶ霊体はやかましく叫んでいる。


『とりあえず蘇生しろよ!』

「あ、ごめん。リバイブ!」


 生き返る舟長。

 魔法使いは、魔法具の調整をするために、もう一度部屋にこもろうとした。

 だが、ヒールボトルがない。

 魔法を込めた水晶玉は――、斧戦士の手にあった。


「魔法使いさん、これ、なんで僧侶が使えない制限がかけてあるの?」

「え、だって、みんながみんなヒールボトルばっか使うと嫌だから」

「もう少し詳しく」

「僧侶の人はいずれ蘇生を覚えるでしょ? それなのにこんな楽な手段があったらだめじゃない」

「つまり、僧侶ジョブの成長を妨げないためなんだね」


 そこまで言われて魔法使いも一つの可能性に気付く。


「あ、これ検証できないやつだ」






ア「ボクらは全員僧侶ジョブをマスターしてるもんね」

剣「全員が回復魔法も蘇生魔法も使えるな。回復量はそれぞれ違うが」

舟「こっち見んな」

魔「うーん、うまくできたと思ったのになあ」

斧「おれたちが使えないだけだ。誰か別の人に協力を願おう」



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