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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
45/527

M-043 ポンプ


ポンプ

水を汲み上げる




「この間は失敗したけど、もしかするとこれ、ワンチャンあるんじゃないの?」


 とか確証のないことを言っているのは、魔法使い。SKの魔法アタッカーだ。そして……いままで魔法をいくつか発掘し、生み出してきたスペルメイカーである。


「ポンプ!」


 SKの拠点である広大な草原に、突然魔法をかけた魔法使い。

 ポンプの魔法は、穴を開け、その下に水があればそれを汲み出すものだ。まさにポンプ。


「なかなかいいネーミングだと思わないかい?」


 魔法使いが誰ともなく呟いた。


 まず穴が開いた。垂直の、どこまでも続きそうな円柱形の穴だ。それから水が、噴水のように湧き出てきた。

 物理法則に従わない水の動き。魔法で動かしてるから何の問題もない、気がする。


「あれ、この水……とまんないね」


 魔法使いが気付いた。


「もしかして、温泉? って冷たー!?」

「残念、湧水だ」

「ええーっ!? というかいつからそこに!?」

「今来たところだよ」


 舟長が呆れた声色で言う。

 魔法使いは突然の展開にただただ戸惑うばかりだ。

 そこへアサシンがやって来て、はしゃぐ。


「えっ、湧水? おいしいの?」

「飲めるの? これ。工業用水かもしれないよ?」

「こんなのどかな異世界に、工場地帯があるわけないだろ」

「じゃあ毒があるかも」

「大丈夫だよ、クリアポイズンで治せばいいんだから」


 魔法使いの説得も空しく、アサシンは湧水を飲んでしまう。すると……。


「おいしい!」

「ステータス見る限り、毒にはなってないらしいぜ」

「これ、使えるよ。ここに井戸でも立ててさ、いつでも使えるようにしようよ」


 アサシンの提案に魔法使いはうなる。

 こんな誰が見ても怪しい湧水を使い続けていいものか。いや、怪しいからこそ隠すのだ。木を隠すなら森の中というではないか。あれ、意味合ってる?


「井戸でいいか!」

「数分の葛藤が投げやりに敗れた!?」

「何を言ってるのだね、舟長。そうと決まればすぐ行動しなければ。さあ石を積むんだ」






魔「斧戦士さんが作った井戸風の覆いを上からかぶせて証拠隠滅しました」

舟「マジ、アイツ多芸だな」

斧「素人が積み上げた石とか怖くて近くを歩けませんよ?」

剣「いつ崩れるか分かったもんじゃない。ここは専門家に任せた方が吉だぜ」

ア「今日は美味しい湧水を使った炊き込みご飯にしようね」

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