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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
隣の大陸編(Fシリーズ)
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F-34 キャピタルイベント9


キャピタルイベント9

疑惑




 無事、サロメと合流したエルナは、さっそく目的地へ。

 王都のデザイナーは、王都の冒険者ギルドにて会えるらしい。

 ハワードの案内のもと、たどり着いた王都のギルドは、でかかった。


「はえー」

『でっかー』


 ぽかんと立ち尽くすエルナ。

 エルナの視界上でも、もう一人の田舎者が大口を開けていた。


『迷いそう』

『どこかに地図ぐらいあるでしょ』

『なんだったら、オレたちが記憶すればいいしな』


 ギルドに入ると、すぐに長蛇の列が見えた。

 最後尾には、キャピタルイベントの看板を持つ人が。

 地図も案内も必要なさそうだ。

 サロメたちと離れ、列に並ぶエルナ。


「私たちはギルドの外で待ってるわ」

「ここにいては邪魔になってしまうからね」


 エルナが素直に頷いたので、二人はギルドを出た。

 かと思いきや、すぐにギルドの裏口から部屋に侵入する。

 防音の魔法が施されているこの部屋は、密会するのにちょうどいい。


「まさか、エルナがああいう格好をしてくるなんてね」

「びっくりしたわ……。道理で今日来たがった訳ね」

「ところで、気が付いたかい」


 ハワードが声のトーンを落とした。

 防音の部屋とはいえ、誰が見ているか分からない。

 サロメはカーテンを閉め、ハワードに答える。


「そうね、北門から来るなんて想定外だったわ」

「ココの村はここから南にあるんだよね」

「そうよ。徒歩にしろ、馬車にしろ、南門から入るほうが早いのに」


 二人は考え込む。

 以前からの疑問も相まって、ハワードは警戒しているのだ。

 サロメも、純粋にエルナを信用している訳ではない。


「あの視線の動き……誰かに指示されているのではないかしら」

「あるいは洗脳とか。エルナの視界には、何か違うものが映っているのかも」

「それはまずいわ。いまのうちに浄化の魔法をかけましょう」

「待つんだ。これは僕の憶測にすぎない」


 浄化の魔法は、かけられた魔法を無効化する効果を持つ。

 だが、特に有害な魔法をかけられていなければ、何も起きない。

 無害だろうが、有益だろうが引っぺがすディスペルとは違うのだ。


「浄化すると言っても、触媒がなければどうにもならないよ」

「それはこちらで用意するわ。最高グレードでいいかしら」

「……ずいぶんと本気だね」

「当然でしょ。私が目をかけている冒険者なのよ。やれることはすべてやるわ」


 密会を済ませた二人は、部屋を出る。

 空室を示唆する記号を綴り、カギをかける。

 それから、サロメは触媒を入手するために市場へ。

 ハワードはエルナと合流するためにギルド前に移動する。

 そんな二人を上から見つめていたものがいた。


「……浄化の魔法、か」


 斧戦士はワープして消えた。






斧「ただいまー」

魔「おかー」

ア「えりー」

剣「仲がよろしくて結構、結構」

舟「さて、どうなるかね」

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