表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
42/527

M-040 ウォーターボール


ウォーターボール

水中呼吸の術




 海です。

 SKは今、海に来ています。クラーケンを狩りに。

 娯楽のためではありません、しかし全員が水着です。

 それには深い理由がありまして……。


「錆びてる」

「塩水だから仕方ないよ」

「……これの修理にいくつ素材が必要だと思ってんだ」

「知らないけど、うーん、全部で五個くらい?」

「一人につき一個か」

「甘いな。一パーツにつき一個だ」

「……すると、オリハルコンが最低六個必要ってこと?」

「その他にスターダイアモンドが三個、ミスリルが六個、聖なる羽根が二個、ダイアモンド一個、隕石が一つ……」

「めんどくさ」

「というわけで、次の狩りの時は、全員装備なしで」

「えぇー!?」


 舟長のアイテム守銭奴が発動したせいで、みんな装備を取っ払って、クラーケンと戦っているのです。


「当たったら死ぬぞ!」

「わたしの装備がぁー生命維持装備がぁー」

「というか、魔法使いさんとおれは素手でもかなりダメージ出るけど、舟長とかどうよ?」

「ぼ、ボクには即死があるから……」

「オレは武器持ってても大したダメージ叩き出せないし」

「……ダメージなんか入んねーに決まってるだろ!」


 逆ギレにも程があります。

 アクセサリー類は着けているので、アサシンの即死には相変わらず期待できますね。

 なに、即死技がないって? しまった、短剣か爪を装備しないと使えないんだった!


「ボク、一生の不覚!」

「珍しいな、アサシンが要らない子枠になるなんて」

「い、要らない子じゃないし! 挑発してかわすぐらいできるし!」

「あっ、クラーケンが潜ったぞ!」

「これじゃ攻撃が通らないぜ!」

「それはどうかな、ウォーターボール!」


 魔法使いさんが高々と叫ぶ。ノリノリです。

 「それはどうかな」って一度は言ってみたいセリフだよね。言う機会ないけど。

 魔法使いを中心に、球体の水の膜が出来上がる。そのまま海にダイブ。酸素をある程度確保したまま海中戦に出陣じゃ!


「舟長、この杖持ってて」

「おう……めっちゃSP吸われるんだが」

「SPが終わると溺れちゃうから、わたしが魔法撃つまで耐えて!」

「結構危ないな! この魔法!」

「四人もいるから楽勝でしょ!?」

「SPバンクとしてしか見てねーな、コイツ!?」


 罵っている暇もなく、魔法使いは途中から四人を無視して術を組み始める。

 使う属性は、お馴染みの無属性ではなく、地属性。システムが何の因果か決めた、水属性の弱点だ!


「ストーンスピア!」


 海底から鋭い岩が競り上がり、クラーケンを下からどつく。柔らかそうなところにヒット! 大ダメージを与えた。


「与えた……って倒せてねーのかよ!?」

「トランスなし装備なしだぞ!? どんだけ弱体化してると思ってるの!」

「ぐっ、だがこっちのSPが持たんぞ」

「仕方ない、みんなで溺れよう」

「どんな考えだよ! いったん上昇して……」

「あっ、クラーケン逃げた」

「はっ?」


 SKはシステムに縛られているが故に、戦い続けようとしたが、SKと相対するモンスターの方はシステムに縛られているとは限らないのだ。

 すなわち、体力が減ってピンチになったらモンスター側だって、逃げることができるのだ。なにより自然の摂理に叶っている。


「……」

「どうするの? 魔法使いちゃん以外SPからっぽだよ」

「とりあえず浮こう」

「ガボボボ」


 水中で会話してる場合か!


「ちぃ、一旦撤退だ!」






魔「燃費悪いのがネック」

舟「くっ、この舟長、一生の不覚だぜ。敵を目の前にして逃がすとは」

魔「なに言ってんのこの人」

斧「リアルな異世界で弱ったモンスターが逃げ出さない訳がないよな」

ア「一撃必殺が流行る訳だよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ