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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
隣の大陸編(Fシリーズ)
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F-22 グランドレイド4


グランドレイド4

夕食のお約束




 グランドレイドの戦闘終了後、エルナとサロメは互いの健闘を褒め称え合っていた。


「さすがの回復量ね!」

「サロメさんこそ! やっぱりバフありとなしだと、ダメージが全然違いますね」

「やあね、ちょっとアタッカーのみなさんを応援しただけよ」

「それなら私だって、ちょっとだけお祈りしただけです」


 謙遜し合って、二人は笑った。

 いくらメインアタッカーになれないとはいえ、さすがに言い過ぎたか。

 少し前に解散した野良の冒険者たちにも、二人は感謝されていた。

 既に次のバトルへ行ってしまった彼らのほうを見やって、サロメは口を開いた。


「グランドレイドはレベルが五つあるの」

「報酬があるのは、一レベルにつき五戦闘までなんですよね」

「そう。いま、一番下のレベルのバトルが一回終わったから、あと二十四回ね。全部取るとしたらだけど」

「……やれるだけやってみます!」

「そうね。あそこで、役割ごとに募集がかかってるから、今みたいにパーティーを組めばいいわ」


 サロメが指さす先には、青いテントがあった。

 なにやら人が集まっては、数字の書かれた札を受け取っている。

 一人の騎士っぽい人が黄色の札を、広場中央で掲げた。

 天からの光が彼を包み込む。

 光がおさまると、彼の姿は消え失せていた。


「ほら、あんな感じ」

「同じ札を持ってるパーティーのところに飛ばされるんですか」

「そういうこと。レベル3、4では、バトル中のパーティーに飛ばされることもあるから注意ね」


 まあ、この辺の詳しいルールはやったほうが早いわね。

 サロメは、この可愛らしいヒーラーを見て、嘆息する。

 姿麗しくて、能力もばっちりある回復役なんて、どこでも引っ張りだこに決まっている。


「じゃあ、また夕方にここで会いましょ」

「……は、はい?」

「ここ、美味しいお店があるの。教えてあげるわ」


 困惑するエルナを置いて、サロメは悠然と去っていった。

 はつらつな彼女は、すぐに誰かに呼ばれてパーティーに加わる。

 そんな様子をぼーっと見つめて、エルナはぽつり。


「グランドレイドって、日帰りじゃないの?」






魔「帰りの馬車はキャンセルしておきました」

舟「いや、まず宿をとれよ」

ア「いまさら取ろうとしてもいっぱいじゃない? 宿なんて」

剣「エルナに野宿なんてさせられないぞ」

斧「ご飯のあとは、寝床の工面も必要だな」

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