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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
隣の大陸編(Fシリーズ)
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F-18 メディカルリーフ


メディカルリーフ

葉っぱはキメるもの




 もっしゃもっしゃ。

 広場のベンチに座って、少女は口をもぐもぐさせていた。

 手元にあるのは、艶のあるモミジのような葉。

 それを一心不乱に食べるエルナの姿は異様だった。


「エルナ、何をしてる――えっ」


 少女に一目ぼれした男、ケビンもこの反応だ。

 彼には珍しく、随分動揺した感じで、馴染みのおっさんに話しかけている。


『失敬な連中だね。葉っぱキメてるだけだってのに』

『葉っぱをキメるとかいうパワーワードについて』

『表現がアウト』

『あれ、美味しいの?』

『口直しにパイ持ってきたよ』

『おい、なんでワンホールで持ってきたし。切れよ』


 少女が最後の一枚を口に入れた。

 ごくん、と嚥下して、目の前のプレゼントボックスをタップ。

 箱からスカイアドベンチャーのおすそ分けが届いた。

 ミートパイ一切れだ。


「あのー、エルナ? ちょっといいか?」

『ドン引きしやがって……』

「んー? あ、ケビンさん、こんにちは」

「さっきの葉っぱは……なんですか?」


 敬語のケビンなど、そうそうみられるものではない。

 いや、そんなことないか。

 そういえば、出会って割と初期に見たな、敬語ケビン。


「メディカルリーフですよ。ステータスが上がるんです」

「食べて大丈夫なのか?」

「ギルド横の路地で交換してたので、品質は信頼していいと思います」

「それってまさか、マネー商人のじゃないよな?」


 マネー商人というのは、この大陸で一番大きな組織、マネー委員会に雇われている商人だ。

 怪しげな名前、怪しげな格好で活動しているが、冒険者の間では評判が高い。

 何故なら、彼らは――嘘がつけない呪いをかけられているからだ。

 平気な顔して騙そうとしたり、初めから見下してくるような輩と比べれば、なんと信頼できることか。


「そうですけど」

「えっ」

「ケビンさんもやりませんか? メディカルリーフ」

「い、いや! 遠慮しておくよ」

「??? お手軽にステータスを上げれて便利なのに」


 足早に去っていくケビンを、エルナは不思議そうに見送る。


「……普通の商人さんだったよね?」

『語尾がマネーなところを抜けばね』

『新商品、メディカルリーフ!だマネー、買うマネー!』

『斧戦士の裏声がやばい』






魔「っていうか、怪しさでいうと、エルナちゃんの格好のほうがすごい」

ア「闇の断罪者、禁忌の墓守、影にまぎれる死霊術師。さあ、どれがいい?」

E「闇の断罪者がカッコいいです」

剣「その背負ってるの、棺桶だよな? 重くねーの?」

舟「見た目装備だからセーフ」

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