F-15 エレメンタルファクター
エレメンタルファクター
属性攻撃と属性耐性
「ふう、疲れた……」
『お疲れさま。お菓子用意しとくね』
「うん。ありがとう」
ケビンのパーティーと別れ、夕やけに染まる街道を歩く。
これからココの村に向かう人は少ないらしく、人通りはすくない。
だから、エルナと魔法使いが会話していても別に良かった。
「次回もよろしくって言われちゃったね」
『三日後だって。行ける?』
「うん、たぶん大丈夫」
エルナの微笑みに、魔法使いはつられて笑う。
頑張り過ぎないように、サポートしなくちゃ。
そんな風に思いながら。
『エルカッテ火山って言ってたから、火属性のモンスターが多いのかな』
「水属性の防具をセットしないと」
『エルナちゃんはヒーラーだから、エレメンタルファクターはそんなに気にしなくていいもんね』
「さっきもリリアさんが言ってたけど、エレメンタルファクターって……」
小首をかしげるエルナ。
魔法使いは、説明していなかったっけ、と口を抑える。
『属性耐性と、攻撃属性の威力アップだよ』
「もしかして、染めると増える、属性のパーセンテージのこと?」
『うん。パーセンテージが多いほど、受けるダメージが減り、放つ技のダメージがあがるヤツだね』
「武器の染めはしなくていいけど、耐性はがっつり積んどこうかな」
『そうだね。どんなモンスターが出るか、分からないし』
「wikiがあればいいのに」
隣の大陸にはwikiこと、先達の攻略掲示板がある。
だが、こちらにはそれに類するものはないようだ。
エルナのために情報をかき集めようとしたスカイアドベンチャーでも見つけられなかった。
もしかすると、ギルドの幹部等、お偉いさんの間では共有されているのかもしれないが、そちらは、たかだか中堅の冒険者ごときが調べられるような類のものではなかった。
『斧戦士なら調べられるだろ』
『もれなく各国のトップが昏倒しますが、よろしいか』
『ごめんなさい、やらないでください』
舟長が平謝りをしている。
この斧戦士と来たら、魔法使いと自分のためだけにしか動かない。
つまり、自分の愉悦のために、世界各国の権力者が昏倒する可能性があるということだ。
なんという危険。
敵は身内にいたり。
『エレメンタルファクター、属性要素ね』
『捻ってねー名前だな』
『変に捻って、覚えられなくても大変だろーが』
魔「要素&要素」
斧「超☆要素」
舟「なにこの流れ」
ア「エレメンタルアトリビュート?」
剣「クオリティファクター?」
舟「ややこしくするな!」




