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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
隣の大陸編(Fシリーズ)
403/527

F-10 マイトレードボックス


マイトレードボックス

どこでもいつでも




「うーん、ちょっと不便かも」


 交換所は混み合っている。

 トレードボックスの前にも人が並び始めた。

 エルナはそっと建物から離れる。


『トレジャー交換はちょっと置いといて、別のところを見に行こうよ』

「え?」

『ほら、あっちに売店があるみたい。エルナちゃん、お腹空いたでしょ?』

「うーん、そうでもな――」


 エルナはそう言ったが、魔法使いは聞かなかった。

 前方を指さすと、大きく腕を振るう。

 視界の端で、わさわさ動く魔法使いは鬱陶しい。

 エルナが歩き出した。


『斧戦士、どうしたの?』

『ちょっと席を外すねー』

『おい、どこ行くんだよ』

『お花摘みかな?』

『方向違うだろ!』


 エルナの視界から、人形が一体消えた。

 会話から察するに緑髪の青年が、どこかに行ってしまったらしい。

 トイレって言えばいいのに。

 エルナはそう思いながら、広場のほうへ歩いていく。


『ベンチがあるね。休憩する?』

「ううん。それより、美味しいものでも食べようかと思って」

『うん、いいね。あ、お金は持ってる?』

「お金……日本円、じゃダメだよね」

『仕方ない。あとで両替して手に入れよう』


 お金がないなら仕方がない。

 誰も座っていないベンチに腰掛けるエルナ。

 お腹が鳴るが、しばらく空でも眺めていよう。


『舟長、素材売ってもいい?』

『宝石系がいいだろうな。数個持ってけ』

『舟長ったら、地味にケチだよね。10個ぐらい持ってきなよ』

『おい』

『まあまあ。余ったら返せばいいだろ?』


 宝石系の素材?

 なんの話だろう。

 冒険者たちの話を聞きながら、エルナは微笑んだ。






斧「買ってきたよ、トレードボックス」

E「え!?」

魔「おお、これで並ばなくて済むね」

舟「説明書を見ると、三か月ぐらいに一度、交換所に持ってかないといけないらしい」

剣「中身の更新……? 妙なところでリアルだな」

ア「それぐらい自動でやってほしいよね」




魔「これ、トレジャー数も保存してくれるみたい」

舟「いちいち数えなくていいのか。便利だな」

ア「ふーん、トレジャー専用だけど、四次元バッグ機能もあるんだね」

剣「デメリットが、三か月にいっぺんの更新? すごいお得じゃね?」

斧「更新がめっちゃ時間かかるのかもしれんぞ。知らんけど」

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