F-01 ナビゲーションシステム
ちょっぴり異世界トリップ風
ナビゲーションシステム
シェアヴィジョン+トップマップ
「えーと、ここは?」
少女がぽつりと呟く。
それもそのはず、彼女は見慣れない場所に居たのだから。
さきほど、全力で願いを叫んだ少女。
願いは何の因果か、早速叶えられた。
『異世界に行きたい!』
少女は理解していなかったが、そこはまさに異世界。
ごく普通の専門学生をしていた、少女の知らない世界。
「だ、誰かいないかな……」
そもそも言葉は通じるのか。
混乱し過ぎて、少女にはそんな疑惑も浮かばない。
少女が泣き出しそうになったとき――。
はるか頭上から、紙が一枚降ってきた。
重力に逆らう紙片は、少女の目の前で止まり、勝手に開く。
――ナビゲーションシステム
それは、少女のよく知る人物の文字だった。
少女の口が動く。
「ナビゲーションシステム……?」
書き手の意図を察した訳ではないだろうが、確かに魔法は発動した。
展開される魔法陣。光に包まれる少女。
驚く少女の前に現れたのは、まるでゲームのようなウィンドウの数々。
それから、よく知った人物の声だった。
『異世界にようこそ、エルナちゃん!』
魔「招待したのはわたしです」
斧「実際に連れて来たのはおれです」
舟「なんだその主張大会」
ア「シェアヴィジョンのおかげで、ボクたちにも彼女が見えるね」
剣「なんか、魔法使いより病弱そうなんだが。大丈夫か?」




