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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
391/527

M-364 リバースノックアウト


リバースノックアウト

気絶耐性




「のわんご」


 魔法使いの奇怪な叫び声。

 魔法使いは杖を放り出して、ぱったりと倒れる。

 ぴくりとも動かない。

 即死だった。


「……はっ。おはよう」


 魔法使いが目覚めると、そこは学園の医務室。

 白いベッドの横には、舟長の姿があった。

 学園の授業中、バトルで負けたものは気絶する。

 それが、学園の常識だ。

 ただ五人、スカイアドベンチャーを除いて。


「気絶ではなく、即死……。パーティー全体が戦闘不能になるまで戦う。ふむ」


 医務室の主、クラレンス先生がなにやら呟いている。

 彼は、スカイアドベンチャーが二年生のとき、お世話になった(?)先生で、事情も知っている。

 蘇生魔法無しでは、復活しないスカイアドベンチャー。

 その特異性を知るのは、ごく僅かな人間だけだ。


「そろそろ気絶耐性についても考えないとね」

「そろそろなんて、もう卒業だぜ?」

「けどさ、いつもこうやって助けてもらうのは大変でしょ?」

「クラレンス先生が蘇生魔法を覚えりゃいいんじゃね」


 雑に言ってくれたが、蘇生魔法の取得はかなり大変だ。

 クラレンスは勝手なことを言う、スカイアドベンチャーをちらりと見やった。

 実用レベルの蘇生魔法は、高位の僧侶だけが習得できる上級魔法だ。

 この連中は、回復手段も各自持っているので、最低レベルの蘇生でもいいかもしれないが。

 それにしたって、中級の僧侶まで鍛えなければ手に入らない。

 ましてクラレンスは、医師でありただの衛生兵だ。

 僧侶になろうとしたことは一度もないのだ。

 経験も、やる気もないのにそれを目指すのは不謹慎だろう。


「うーん、ちょっと考えよ」

「斧戦士やアサシンにも要相談だな」

「そうだね。それじゃ、まず名前を考えないと」

「反・気絶とか」

「カッコいいけど、世界観に合わないので却下」


 魔法使いと舟長は授業が終わるまでしばらく、サボった。






魔「気絶は英語でなんて言うんですか?」

舟「英語とか言うな」

ア「のっきゅん」

剣「ラブリーハート」

斧「二人とも大丈夫か? 頭」

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