表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
39/527

M-037 モンスタータング


モンスタータング

動物たちと話す魔法




「誰だこいつ……」

「えさよこせー」

「やめて殴らないで」

「あの斧かっけぇ」

「後ろにいる女の子チョー好み」

「あれ男じゃね?」

「!?」


 以上が、ブタ小屋に入ったときの彼らのセリフです。

 杖を掲げていた魔法使いが珍妙な顔つきで座り込む。


「まあ、なんだそのドンマイ」

「選ばれなかったからってそう気落ちするもんじゃないさ」

「アイツ、相当目が肥えてるから」

「ちげーよ、何の心配してんだ、家畜ども、丸焼きにしてやる!」


 突然暴れだした魔法使いに驚くSK。とりあえず丸焼きだけはまずいので、杖を取り上げて拘束する。

 そのときだ。杖を持っていたアサシンが苦いものでも飲み込んだ顔になる。

 彼女にも聞こえたのだ。ブタさんたちの声が。


「氷付けもいいと思わない?」

「えっ、アサシンさん?」

「キレてる?」

「キレてるキレてる。なんでかしらんけどキレてる」


 ひそひそ話し合う男三人。剣士が杖を拾った。


「あのなあ、オレは男だぜ? 髪が長いからって斧戦士だって長いだろ、ほら、こいつ」

「やはり丸焼きに!」

「魔法使いもそんなに怒んねーの。オレは気にしてねーし」

「うーむ。慈愛の心が剣士を女性らしく見せている、とか?」

「知らねーけど、あの杖誰が持つ?」

「おれが持つと、輪切りにしたいとか言っちゃうかもよ?」

「オレが持つか」


 と、舟長が言って、杖を拾い上げるが、すぐに離す。それから壁の方を向いてぐずぐずと泣き出した。

 おおよそヘタレだの臆病者だの言われたのだろうが、メンタル弱すぎである。


「こんなものー!」


 魔法使いが杖を折ろうとするが、レア素材を使って仕上げた魔法の杖はそうやすやすと曲がってくれない。


「魔法使いさん、一端、ここから出るというのはどうだろう」


 斧戦士の提案に全員が頷いた。

 これで五人の未来も、ブタ小屋の何十頭ものブタさんたちの未来も、平和になった。


「二度と使うもんかー!」


 魔法使いさん以外は。






魔「精神感応と動物舌の合わせ技!」

舟「テレパシーの方出てねーし」

魔「精神感応は動物と話せず、動物舌の方はモンスターと話せない」

舟「合体して動物ともモンスターとも話せるようにしたのか」

魔「結果はさんざんだったけどね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ