M-354 エンチャントマシーン
エンチャントマシーン
それは卑怯
「デスデス毎回つけるのがめんどくさい?」
「言ってないです」
「毎ターン回復してほしい?」
「それはありがたいですが」
「ならば、これだ!」
魔法使いが杖を掲げて、振り下ろす!
その先にいたのは……一台のロボットだった。
四角いボックスの形をしたロボットは、頭も足も手もなかった。
杖の先にたたずむロボットは、静かに時を待っている。
「さあ、エンチャントマシーンよ、その力を発揮せよ!」
エンチャントマシーンと呼ばれたロボットは、正面にある口から何か吐き出す。
それはオレンジ色のもや。
スカイアドベンチャーも愛用しているスキル、ライズだった。
ライズの効果は、味方一人の攻撃力アップ。
腕力が上昇した魔法使いは、舟長を杖で殴りつける。
「おい」
「えい、えい!」
ターン数が進むにつれて、ライズの効果は重なり、ついには。
舟長の抗議が聞こえなくなった魔法使いは、下を見た。
「舟長が死んで――」
「回復してください」
「あれ?」
舟長は玄関のほうに逃げていた。
魔「延々と機械的に、設定した魔法を発動してくれるよ」
舟「SPは誰が負担するんだ?」
魔「……誰が負担するんだろうね?」
舟「あと、回数制限はあるのか?」
魔「ないともったいないね。よし、ちょっと変えてくる!」




