M-351 ソウルオブデビル
ソウルオブデビル
黒い槍とか振り回したいに決まってるだろ!
「ブラックランス!」
家の前のだだっ広い草原で、魔法を試す、魔法使い。
しかし、魔法は発動しない。
スペルも、魔法陣も間違っていない。
SPだって十分にあるし、気持ちもたくさん込めた。
なのに……。
「なんで?」
「それはね。魔法使いさん」
「斧戦士さん!」
「今しがた、この魔法を作ったからなんだよ」
「なあに、これ?」
魔法使いは、斧戦士が持ってきた魔法陣を覗き込んだ。
なにやら複雑な記述がされているが、どこか見たことがある。
ああ、そうか。
ブラックランスの魔法陣に似ているんだ。
「これらの魔法の元は異能だったから、根性だけでは使えないんだよ」
「そうなんだ。ってこれら?」
「そう。ブラックランスを始めとする、槍系魔法はすべて、ね」
斧戦士は器用に片目を閉じ、ウィンクした。
「それを、使えるようにしてきました」
「ほほう!」
魔法使いは大きな期待を抱いた。
「まずは、ソウルオブデビルと唱えて」
「ほほーう!」
「見て、黒いオーラが出てきたでしょ?」
「斧戦士さん、カッコいい!」
「えっへん。この状態で、ブラックランスを唱えると……?」
身体を覆う黒いオーラが、斧戦士の右手に集約されていく。
やがて、一本の槍となったそれを、斧戦士は自らの腕力に任せて投擲した。
舟「これ、斧戦士もともとブラックランス使えるから、意味なくね?」
ア「魔法使いちゃんがやるべきだったね」
剣「黒いオーラとか、一部の人間が喜びそうな……いや、なんでもない」
魔「オーラがなくなると使えなくなるのね。メモメモ」
斧「だから、一定ターンの間使える、必殺技ってとこ?」




