M-337 クリアデビル
クリアデビル
アシストデビルの天敵
「模擬」
「戦」
「よし」
「行くか」
合言葉を交わし合った二人。
スカイアドベンチャーという冒険者のメンバーだ。
リーダーである舟長と、メンバーの魔法使いは、最近ゲームにはまっている。
召喚術で3ターン以内に、相手をボコボコにするという、シンプルなルールのゲームだ。
今までの戦績は、舟長3 - 魔法使い0だ。
魔法使いはボコボコにされた恨みから、どんな手段を使ってでも舟長を倒したかった。
「初手は?」
「アシストデビルだ」
「じゃあ、わたしもアシストデビル!」
特に理由もなく始まる模擬戦。
二人は同時にアシストデビルを召喚し、各々のステータスを底上げする。
それから、先攻をとった舟長が魔法使いを攻撃し、そのあと魔法使いが舟長を攻撃。
これで、1ターンが終了した。
あと2ターン。
「ケアデビルで回復して、殴るか」
「そうはさせないよ。今度こそ、地面に這いつくばってもらうからね」
「なんだその挑発。おまえ、斧戦士に毒されてない?」
「へ? なんで斧戦士さんが出てくるの?」
不思議そうな顔をした魔法使い。
素の発言だったか、と舟長は残念そう。
「とにかく、これで弱体化だよ。クリアデビル!」
「また新しい召喚術か。けど……、あれ?」
舟長は驚いた。
魔法使いがしてきた攻撃は、さっきと同じく三割、こちらの体力を削る。
だが、どうしたことか。
さきほど、舟長が魔法使いに与えたダメージは、最大HPの六割。
それが半分以下の二割ダメージになってしまっている。
残り、1ターン。
「まさか、アシストデビルの効果を無効にしたのか!?」
「ふっふっふ。その通りよ」
「けど、おまえ体力やばいぞ」
「それを言うな」
体力が二割しか残っていない魔法使いを、舟長は攻撃する。
ヒット!
魔法使いは倒れた。
魔「ダメだったよ……」
舟「魔法使いが草原に大の字に倒れている」
魔「ケアデビルが先攻してれば、ワンチャンあったのに!」
舟「寝っ転がったまま叫ぶな。だいたい、せいぜい引き分けがいいとこだろ」
魔「うっさい! エナ……しまった、この角度じゃ当たらない!」




