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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
359/527

M-332 ダイレクトフォール


ダイレクトフォール

すっごい落とし穴




「舟長、わたし思うんだ」

「おう、どうした?」

「ダウンホールはスピード感が足りなかったんじゃないかって」


 ダウンホールは、ヌクトイシミズ改(邪)のあとに投稿された話で、超ゆっくり下降する落とし穴魔法である。

 それはもうゆっくりと下がっていくので、ある程度、運動のできる人間なら簡単に脱出できてしまう。


「そうか……今頃になって気が付いたのか?」

「そう! 今日思いついたの」

「で、どうするんだ? スピード改造でもするのか?」

「ううん。新しく作ったよ。あれはあれでいいかなって」

「どこがいいのかさっぱりわからんが、まあいいか」


 舟長はそう言って立ち上がる。

 魔法使いが不思議そうに見上げた。


「ありゃ? いつもみたいにお披露目しないのか?」

「んーとね、今回のかなり危険だからさー」

「はあ? 危険? 所詮、落とし穴だろ?」

「ほほう。所詮と言うたな? よかろう、この威力見せてやろうではないか!」


 しまった、と舟長は思った。

 このノリノリの魔法使い、けなされるのを待っていたのだ。

 キラキラと輝く瞳に映る自分を見て、舟長は己の身を呪った。

 これは、まず間違いなく、実験台コースだ、と。

 ところが……。

 二人が玄関から出ると、仲間の斧戦士が待っていた。


「危険な実験をやるというので、被検体を連れてきました」

「嫌な予感しかしないので、ご遠慮させてください」

「はい、ダメでーす」


 コントみたいな二人を前に、魔法使いは既に詠唱の真っ最中だ。

 舟長は少し下がって、経過を見守る。

 巻き込まれたく、なかったからだ。


「ダイレクトフォール!」


 被検体こと、サンドバックの座っていた地面が急になくなる。

 丸い谷、いや溝、淵……とにかく星の裏側まで貫通しそうな勢いで開いた穴は、男を呑み込んだ。


「え? ちょま、ギャー!!」






斧「グッバイ!」

魔「どうだ、これなら逃げられるまい」

舟「ホントに実験台にならなくて良かった」

斧「ちなみに、穴の先はワームホールに繋がっています」

舟「やめてやれよ!」

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