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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
357/527

M-330 スクエアゲート(拡)


スクエアゲート(拡)

人も通れるサイズになりました




 とある昼。

 アサシンは、一人で机に向かう斧戦士に話しかけた。

 斧戦士の手元には、オレンジ色の魔法陣。

 サンドバックという男が、よく拘束されている魔法陣だ。


「ねえ、斧戦士。魔法使いちゃんがいないから聞くけど」

「うん?」

「スクエアゲートのなかは、世界の狭間、そう言ってたよね」

「うん」

「魔法使いちゃんを入れたことあるの?」


 斧戦士が、顔を上げた。

 無表情のなかで、青い瞳がアサシンを刺すように見つめている。

 ……当の本人は、そんな気はないのだろうが。

 アサシンは少し緊張した。

 なにか気に障ったかな……?


「入れたこと? 何度もあるよ」

「えっ。あれって、足を踏み外したらヤバイ系でしょ? 大丈夫だったの?」

「現に魔法使いさんはここにいるんだから、大丈夫だったに決まってるだろ」

「ヤバイ系ってのは否定しないんだ」

「おれが一緒なら、いつでも出られるから」


 濃い青の瞳が瞬きする。

 昔は色が薄かったとか言っていたけれど、どちらにせよ可愛い子どもだったに違いない。

 性格的な話ならば、そうでなかった可能性が高いが。


「それとさ。あの、道ができたでしょ」

「魔法使いさんを起点にしたから、あまり通りやすくはなかっただろう? 悪かったな」

「え? 人によって違うの?」

「ああ、人によって違う。おれだともっと広いけど、パスタだとかなりちゃんと道になる」

「パスタさん懐かし!」


 どこかからパスタじゃない、と抗議の声が聞こえたが、きっと空耳だろう。

 第一、彼はこの世界とは違う世界の住民だし。

 いや、斧戦士の言葉の感じからして、彼もスクエアゲート(拡)を使えるのだろう。

 ……文句を言うためだけに使うかは、別だ。

 たぶん、彼は使わないだろう。


「まあ、パスタさんはどうでもいいんだけど」

「ああ、パスタはどうでもいいな」

「魔法使いちゃんが通った道が、白く光ったんだよね。しかも崩れていくし」


 斧戦士が頭をかいた。

 そんなところまで見ているとは思わなかった。

 そんな風に言って、どう説明するか迷っているらしい。


「古の設定集からすると、おれは闇属性で、魔法使いさんは光属性なんだ」






ア「黒歴史ですか」

斧「ダークメモリーでも、ダークネスメモリアルでも、好きなほうを選ぶがいい」

ア「つまり、闇属性の道を、光属性の塊みたいな魔法使いちゃんが通ったから、崩壊したって訳?」

斧「うむ、だいたいそんな感じ。魔法使いさんは天使だからな」

ア「またのろけて……。……あれ? ちがう?」

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