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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
356/527

M-329 リアルイリュージョン


リアルイリュージョン

幻が真実を暴く




「ねえねえ、アサシンちゃん!」

「どうしたの、魔法使いちゃん?」

「あれやってよ、ほら、幻覚をバーッて広げるヤツ!」


 そう言われて、即死兼幻覚使いのアサシンは困惑した。

 どれのことだろう……と。

 しかし、直近で、彼女に見せた幻覚と言えば、それは一つしかなかった。

 リアルイリュージョン。

 幻覚に囚われた魔法使いを探すために、使った魔法。

 魔法使いにはあまりいい記憶がないはず。

 アサシンは、少し言葉を濁らせた。


「もしかして、リアルイリュージョンのこと?」

「そうそう。もう一回見せてよ!」

「け、けど、あれは、なにかしら幻覚がかかってないと意味ないよ!?」

「じゃあ、わたしが幻覚をかけよう」

「いや、そんな簡単に言われると、ボクのプライドが……」


 なんだかんだ言っていると、本当に魔法使いが幻覚を使ってしまいそうだったので、アサシンは慌てて呪文を唱えた。

 素人の魔法使いに、幻覚魔法まで作られてしまっては、アサシンの立つ瀬がない。

 なにより、自分のアイデンティティが減ってしまう気がした。


「リアルイリュージョン!」


 まず、自身の周りに幻術を展開したアサシンは、期待に目を輝かせる魔法使いを見た。

 わくわくしている。

 アサシンは両手を広げ、それに合わせて幻覚の領域も広げる。

 リアルイリュージョンは、魔法使いと、スカイアドベンチャーのお家を包み込んだ。

 アサシンは、魔法使いを振り返って言う。


「ほら、なんにもないでしょ?」

「アサシンちゃん、あそこの壁、壊れてたっけ?」

「え?」


 魔法使いの指さすほうを向くと、そこには確かに壁があった。

 しかも、一部が崩れている。

 付いている傷は、何かが刺さったあとのようだ。


「直し中なのかな?」

「白いレンガが積まれてるね……」

「誰だろ?」


 魔法使いはそうやって首を傾げたが、アサシンは見当が付いていた。

 ボク以外で、幻覚が使えそうなヤツなんて、ひとりしかいないじゃん!

 斧戦士、なに家の壁壊してるの!?


「ねえ、他も見てみようよ!」

「そ、そうだね……」






魔「なにかしらのゲートがある。向こうは真っ暗で見えない」

ア「斧戦士め……。自分の部屋に作ればいいのに」

魔「あれ? こんなとこに部屋あったっけ?」

ア「これは、見ないほうがいいパターンかな。幻覚、解除っと」

魔「あ、なくなっちゃった。やっぱり部屋なんてないのになあ」

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