M-323 エフェクトマジック
エフェクトマジック
エフェクトだけちょっと借りますね
「見た目魔術師になれる魔法作ったよ」
「なんじゃそりゃ」
舟長に突っ込まれながら、魔法使いは健気に立ち上がる。
目元には、涙の……。
じゃない、これ、軟膏のあとだ。
「誰でも、とは言えないけど」
「じゃあ何のためにあるんだよ」
「パーティー用」
「なにそのパーティー、怖い」
「怖くないよ?」
魔法使いが不思議そうな顔をした。
彼女はとても得意げに笑う。
ずいぶんと自信があるようだ。
「だって、これエフェクトしか出ないもの」
「え? エフェクトって……効果なしってことか?」
「うん。だってパーティーだよ? お祭りだよ? 魔法使ったら危ないじゃん」
当然の如く言い放つ魔法使い。
舟長はまだ、魔法使いが何を成し遂げたのか分かっていない。
「危ないなら使わなければいいだろ」
「舟長は挑戦心が足りないね。使わないんじゃなくって、どう安全に使えるようにするか。これが、スペルメイカーとしての役目だと、わたしは思うわけよ」
「そうか」
魔法使いの長い長いセリフを、舟長は三文字でもって応えた。
こいつ、聞く気ないな!?
話が途切れて困った魔法使いは、辺りを見回した。
誰も見つからなかったが、彼女の恋人はその危機を敏感に察知して、登場した。
「例えばこんな風?」
エフェクトマジックを唱えながら。
「ベルセルクアターック!」
「うわっ、ちょ――理不尽だぞ! ……ってオレ生きてる?」
魔「完璧だよ、斧戦士さん!」
斧「お褒めに預かり光栄です。これ、スキルも対象内なのね」
魔「うん。エフェクトマジックは、そのあとに使った魔法のエフェクトだけ発生させるんだ」
舟「そういう話か……。気になったんだが、このパチパチ言う音はどうにもならんのか?」
魔「それは、エフェクトだけで効果はでませんよ、という合図の音です」




