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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
345/527

M-322 サウンドトーン


サウンドトーン

アサシンの必殺スキル




「ここが難関だったな……」


 意味ありげに舟長がつぶやいたその前日の夜。

 魔法使いはアサシンを連れ出して、外にいた。

 偉大なる庭とも、果てのない草原とも呼べる、家の前に。


「さて、アサシンちゃんのエクストラアタックだね」

「なんか震えてるけど、大丈夫?」

「平気、へー……くしゅん!」

「ボクの技は室内でも平気だから。さ、部屋に入ろう」


 アサシンに押される格好で、魔法使いは玄関に入る。

 すぐに帰ってきた二人に、舟長と剣士の二人が目を丸くしている。

 察して駆け寄ってきた斧戦士は、温かいココアを持っていた。

 ココアを受け取って、席に着く二人。

 男衆はそっとリビングから離れる。


「それで、ボクの技だけど、なんて説明したらいいかな」

「アサシンちゃんの得意な幻覚系の技だよね」

「そうそう、相手に幻覚を見せて戦うってのは、いつもと同じなんだけど……」

「今回は条件がつくんだよね。こうなったら、負け、そうでないないほうが勝ち」

「いわば、かくれんぼ?」


 アサシンが例に出した遊びによって、急にイメージが可愛らしいものになる。

 捕まえられたら、負け。捕まえられなかったら、勝ち。

 本当は、条件が複雑でそう簡単に勝つことはできないのだが、まあいいか。


「鬼のボクが、幻覚で惑うキミたちを捕らえてあげるの」

「なんだが狂気チックなセリフをいただいた気がする」

「優しいでしょ? ボクは困ってる人を助けたいだけなんだよ」


 いたずらっぽい表情で、アサシンは微笑む。

 とてもそうは見えない、なんて言った日には、私も幻覚に囚われてしまうのだろうか。


「サウンドって付いてるのは、たまたま最初に使ったとき、音を条件にしたからなんだけど」

「それからずっとこう呼ばれてるんだ」

「トーンは音と色とあるけど、どっちなんだろうね? ボクにも分かんないや」


 アサシンが今度こそ微笑む。

 さっきみたいなうそぶいた顔じゃなくて、年相応の女の子の顔で。






魔「わたしもいまいち把握してないので、曖昧な説明しかできないのだ」

ア「かと言って、魔法使いちゃんに体験してもらう訳にはいかないし」

魔「おお、その手があったか!」

ア「だ、ダメだよ! ボクが斧戦士に斬り殺されちゃう!」

魔「あ、そう? じゃあやめとこうかー」

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