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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
342/527

A19-319 メッセージレター(邪)


メッセージレター(邪)

一方、斧戦士側では……




「坊ちゃんが人影を見たらしい!」

「嘘でしょう! 今日、この屋敷は誰も入れないはずよ!」

「だから、大変なんじゃないか!」

「怪しい奴を見つけたら、すぐに教えてくれ!」


 大変な騒ぎになった、とある貴族の邸宅。

 その屋根でくつろぐ男は、こう思っていた。

 ああ、馬鹿らしい。


「まったく軟弱な奴め……敵対者の誕生日プレゼントぐらい受け取れよ」


 怪しい奴は小声でつぶやくと、器用に寝返りをうった。

 素直に受け取ったら受け取ったで、それはからかってやろうと思っていたのだが。


 騒ぎが治まるまでここに居ようした男の決心は、すぐに揺らいだ。

 男の分体が、事前に仕掛けておいた手紙の回収を知らせたのだ。


 男はすぐに上体を起こし、屋敷から民家の屋根へ移る。

 誰も上なんか探しちゃいないから、移動は楽々だ。


「そろそろかな」


男は真っ白な便箋を手に、語り掛けた。


「魔法使いさん、驚いた?」


 すると、真っ白だった便箋のまんなかに文字が現れる。

 彼女が向こう側で喋っているのかと思うと、男の心は安らぐ。


―これ、なあに?―


 無邪気に聞いてくる彼女が愛おしい。

 しばらく話していると、彼女があくびをした。

 いまは九時。

 いつもならもう、彼女は布団のなかだ。


 男の帰りを待つ、と宣言した彼女を守るため、男は民家の屋根から飛び降りる。

 音も立てずに着地し、人差し指の先を噛みちぎって円を書く。

 まだらな血痕が散らばる。

 お世辞にも円とは言えないそれのなかに入って、男の姿はかき失せた。






ア「けど、これって、相手が手紙を見てないと意味ないよね?」

剣「今回は、分体を魔法使いのもとに遣わしてたのか? 分体に言付けすればいいじゃないか」

斧「このリアリストどもめ! 死ね、ベルセルクアタック!」

魔「およ、舟長とアサシンちゃんと剣士が真っ二つになっている」

舟『まだオレは何も言ってねー!』

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