M-318 デキュート
デキュート
浄化
飲めない水、毒沼に入る五人。
冒険者のスカイアドベンチャーだ。
毒無効のアクセサリがあるので、ダメージは受けないのだが、なんとも言い難い気分になる。
「これより、橋を架けたほうが早くね?」
「橋をかける魔法なんてあったっけ?」
「確か、三つぐらいあったはずだが」
「そのうち、二回は魔法使いが転落したことを考えると……」
「分かった、橋をかけるのはやめよう」
パーティーメンバーの安全を考えて、自らの提案を取り消す舟長。
しかし、三つ目の毒沼・毒河を抜けた辺りで、全員が無言になった。
鎧に付いた藻なんかを拭きとりながら、アサシンが重い口を開く。
「これ、ビジュアルとしてありなの?」
「冒険者が毒沼を歩く姿か? まあ、なしだろうが」
「毒沼じゃなければ、ワンチャンあるかな」
「え? じゃあ、毒沼じゃなくす魔法を作ればいいのね?」
剣士のつぶやきに反応した魔法使いは、さっそくペンを握っている。
すっかり先に行く気が失せた四人は、魔法使いの行動を止めようとはしない。
それどころか、一緒に座り込んで、今日を過ごすつもりだ。
舟長が焚火に使う木の枝を探している。
いくらここが廃墟で、荒れ果てているとはいえ、木ぐらい生えている。
そんなに難しいことではなかった。
「うーん、うまくいかない……」
「これ、範囲が間違ってるよ。上流だけやればいいはず」
「魔法使いちゃん、ここの記述、少し軽くできるんじゃない?」
悩む魔法使いに、舟長は、温めたスープを差し出した。
まだまだ、今日は長そうだ。
魔「デキュート!」
舟「変化ないな」
ア「魔法の構成上、ここまで来るのには時間、かかるだろうね」
斧「山頂から綺麗にしていくから、三時間ぐらい暇あるよ」
剣「ちょっと昼寝でもできそうだな」




