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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
33/527

M-031 EXPドレイン


EXPドレイン

撃たれたくない魔法




「EXPドレイーン!」

「なに!?」

「うぐっ」

「魔法使いちゃん!?」

「レベルが下がったから、ダメージも落ちるぞ!」


 ある日、普通に冒険していたスカイアドベンチャーを襲ったのは、なんか綺羅綺羅しいモンスターだった。

 なんだかやたらめったら反撃したい気持ちにされた、SKは欲望に任せて襲い返したのだが、それが間違いであった。

 謎の攻撃が魔法使いに当たる。すると……グガガゴゴゴ。


「地の文どうした!?」

「あれ、レベルそのまま……?」

「魔法使いさん、無事だったのか!」

「待て、レベルが無事なら何の経験値が……」


 舟長→魔法使い→斧戦士→剣士。


「っと、え?」

「セリフの順番?」

「地の文さん?」

「ハテナマークが一杯……」

「そんなこと言ってる場合か!」


 舟長→アサシン→斧戦士→魔法使い→剣グガガゴゴゴ。


「明らかにおかしいぞ!」

「おかしいけど、どうして……」

「ハッ。もしや、わたしの執筆的能力の経験値がドレインされて、地の文に異常が出ているというのか!?」

「説明乙! だが、まさにそのようだな!」

「そんなこと……いや現にあり得てるんだからどうでもいいか」

「まさかこのまま、小説レベルも下がって、セリフオンリーになる可能性も否定できないってか!」

「実際、地の文がないからその通りだな!」

「もう一発来るぞ、備えろ!」

「どうやって?」

「避ければいいんじゃね」

「避けるほど、素早さがない人はどうすればいいですかー!?」

「こうすればいい」


 斧戦士がががが。

 舟長をぐわしと掴みががが。

 魔法使いの前にががが。

 放り投げたががが。


「ががが抜きだ!」

「簡単な謎解きだなあ」

「おまえら、のんきにはなしてるんじゃねーよ! いてっ。あたっちまっただろ!」

「舟長のレベルも落ちてない……。やっぱりこのEXPドレイン、レベルじゃなくて他の経験について影響を及ぼすものなんだ!」

「おれのはなしをきけよ!」

「あれ、舟長。一人称変じゃない?」

「ホントだぜ。カタカナっていうか漢字どうした?」


 舟長の一人称はががが。

 カタカナのオレですごごご。


「地の文がだいぶクリアになってきた!? まだノイズあるけど……」

「そうか、EXPドレインの効果は一時的なものなんだ! そうじゃなきゃ困る!」

「じゃあおれもまってればなおるってのか!?」

「漢字やカタカナの経験値が戻ってくればな」


 斧戦士がががが。

 冷たくいい放つががが。


「とりあえず倒してしまえばいいんじゃね」

「いままでもそれで解決してきたもんね!」

「ちょっとまて、それでもおれのじょうたいが、なおらなかったらどうするきだ!」

「かといって、全員が舟長みたいに歯抜けになるのを待つのか!?」

「だれが、はぬけだ!」

「まあ舟長のは紙面上で見ないと分からないタイプだし。しゃべるのには問題ないでしょ」

「ぐぬぬ……」

「エナジーフォース!」

「ベルセルクアタック」

「ちっ、しかたねえ、はらくくるか! オレもさんせんするぜ!」

「あ、一人称」

「なんだ、戻ってきたのか。つまらん」

「だれだ、つまらんっていったヤツ! だれだ!」

「おれですけど?」

「おのせんしか……ぐぅ、あきらめよ」


 相変わらず、斧戦士には弱い舟長。極振り怖い!ってことかしら。

 魔法使いには強気なのに、不思議だね。


「地の文帰ってきたァー!」

「そんなに喜ぶこと!?」

「わたしの文才が帰ってきたんだ。喜んで何が悪い」

「あっうん、ごめん」

「魔法使いキレてね?」

「たぶん、ボクが怒らせちゃったの」


 魔法使いが声を張り上げ、不思議なダンスを踊りながら、喜びを表現する。モンスターはなんだか弱っているみたい……。踊りのせいかな。


「またか!」

「魔法使いさんのランダムダンス炸裂!」

「斧戦士さん、黙って!」

「サーセン」


 よく分からない人はランダムダンスの項を参照だ!

 クリック、クリック!

 でも正直、これ、味方にバフ効果出てないから、ランダムダンスとは言いがたいよね。どっちかというと、奇妙な踊り系っていうか。


「そんなんどっちでもいいわ!」

「MONEYドレイーン!」

「なに、マニー……つまりおカネドレイン!?」

「な、ナンダッテー!?」

「おまえら、戦う前に全額銀行に預けただろ……」

「その銀行からパクられたとしたら?」

「なに!? オレの金を!」

「パーティーの金です」


 守銭奴の舟長が覚醒した。

 斧戦士の冷静なツッコミも聞こえないまま、モンスターに猛然と追撃を仕掛ける。

 いつの間にかフル回復だ!


「舟長フツーに喋ってるね」

「ログ確認したら、漢字もカナカナも喋れるようになってた」

「チッ、つまらん」

「今日の斧戦士さんたらいつもより毒舌ね」

「それで済ませていいのか……」


 攻撃は舟長に任せつつ


「おまえらも攻撃しろよ!」

「はーい」

「チッ、めんどくさい」

「斧戦士は舌打ちしないと喋れないように改造されたのか?」

「いいえ、これもEXPドレインの効果です」

「嘘かホントか分からないこと言うのやめてよ……」


 怒られたので全員で攻撃を加えていると、敵が倒れていた。そして倒したモンスターからは当然、ドロップが……ない。


「こんだけ苦労させてドロップなしかよ……」

「やる気なくすよね」


 好き勝手言って、スカイアドベンチャーは帰っていく。今日の冒険は終わったのだ。





魔「今回書きづらかったー」

ア「お疲れー」

魔「舟長のセリフをうっかり変換しちゃったり、地の文を書きたくなったり」

斧「その割りには決着点が決まらず終われなかったり」

舟「やめたれよ」

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