A18-307 ウォーターハンド(邪)
ウォーターハンド(邪)
原案
男と青年が言い争いをしている。
鉄格子挟んで、立つ二人の男は、どちらも譲らない。
辛抱たまらなくなった片方が、武器を手に取る。
しかし、鉄格子が邪魔で、奴を貫くことはできない。
「ちっ、ならば……」
青年は、鉄格子の前に、薄く透明な壁を張る。
それから、鉄格子の内側で、とある魔法を発動させた。
ウォーターハンド。
牢屋は一瞬で水に満たされる。
そして、空気で出来た巨大な手が、男を掴んだ。
「がぼがぼがぼ!」
溺れる男が何か叫んでいるが、聞こえない。
青年は満足してその場を立ち去った。
男はしばらくもがいたが、空気の手はびくともしない。
男の視線は、鉄格子の向こう側に向けられた。
誰もいない。
よし、今なら――。
(座標変換!)
男の姿が描き消え、髪の長い女の子になる。
女の子は突然、水の中に送られて、びっくりしていた。
だが、呼吸はできるようで、空気の手に掴まれたまま、ゆらゆらと揺れていた。
斧「あれ!? 女の子になってる……! ディスペル!」
女「ぷっはー! ゆらゆら楽しかったー!」
斧「あの、どちらさま? 大丈夫だった?」
女「メルティナだよ! ねえ、ギルスはどこ?」
斧「誰それ」
―どこかの世界で―
?「へっくしょい!」




