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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
325/527

A15-130 リトルソウル(邪)


リトルソウル(邪)

心も体も




 リトルマインドを解かれた男は、来訪者の持ってきたビデオを見ている。

 たった、30分だったとはいえ、どんな内容であれ、動画を30分見るのはめんどくさい。

 男は、始まって5分のいま、既に我慢の限界であった。


「その機械、壊させろ!」

「はい、声がうるさくて聞こえないので、音量を上げまーす」

「やめろ!」

「はい、音量20ね。よく聞いてください」

「要らん! くそ、何が嬉しくて、そんな黒歴史時代を延々と見なきゃならんのだ!」

「おれが楽しいから?」

「いやあ、暴れてるねー」


 来訪者が男の反応に満足していると、ひとりの幽霊みたいな人物が会話に参加してきた。

 闖入者の姿は青く、後ろが透けている。

 姿は少年で、なんだか複雑そうな衣服をまとっている。


「帰れ、サヨン! 呼んでないぞ!」

「ははっ。僕はさあ、君の部下じゃないから、そういうのに縛られないんだってば」

「サヨン、見るなよ! だー! おまえは見慣れてるだろ! こんなの見たって……!」

「君の反応がおもしろいから来たんだよ? これ、おもしろいね。もっと見せてよ」


 突然の闖入者のリクエストに、来訪者は素直に従った。

 見たこともない男の反応がおもしろかったのもある。

 老成した雰囲気すらあったこの男が、若返ったかのように、知り合いと話している。


「そうだ、えーとね……」

「早く帰れ!」

「いやだよーっと。この魔法、続きがあるんでしょ? それも見たいな」

「続きだあ……?」


 不穏な響きに、男はうなる。

 しかし、うなったぐらいでは、来訪者と闖入者の勢いは止まらない。

 来訪者は静かに詠唱を始めた。


「リトルソウル」


 男の姿が縮み、黒髪の少年が現れた。

 来訪者は驚く。

 その姿は彼女のようだったからだ。


「こいつ、日本人だったの?」

「髪は魔術で染めてるらしいよ」






?「サヨン……? ここ、どこだか分かる?」

霊「牢屋だと思うけど。悪いことした人が行くところだよ」

?「サヨンも捕まったの?」

霊「君が捕まったから、総合的にね。ま、僕はいつでも出られるけど」

?「なんだかサヨン、いじわるになってない?」

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