A14-129 リトルマインド(邪)
リトルマインド(邪)
そういうの、関係ないみたいです
牢屋に住まう男、サンドバッグは、今日も微睡んでいた。
だって、牢屋だから。
何も娯楽がない。
仕方ないので、男は時間を潰すために、寝るのである。
「おい、起きろ」
「……乱暴な目覚まし時計だなあ」
「おまえの子ども時代ってどんな感じだった?」
「……黒歴史しかないので、思い出させないでくれない?」
男のげんなりした顔を見て、来訪者は嬉しそうに笑う。
来訪者は、一枚の紙を見せて、こう言った。
「これは、精神だけを子どもにする魔法だ」
「ふーん。けど、オレ、おまえに捕まってから[ピー]年も経ってるぜ? 果たしてその魔法、効くかな」
「やってみれば分かる。というか、たぶん関係ないぞ」
「えー。まあいいか。どうせオレの記憶には残らないし」
「ビデオ撮影をお望みですか?」
「やめろ!」
男が本気で怒鳴ったが、来訪者は気にも留めなかった。
静かに詠唱を始め、特に叫ぶこともなく魔法の名を告げた。
「リトルマインド」
「……うわ、ガチかよ、くっそ、嫌だ、絶対――」
静寂が訪れた。
来訪者は静かになった男に尋ねた。
「サンドバッグ?」
「え……誰、ですか。って、ここは……!?」
「牢屋です。おまえは悪いことをしたので、閉じ込められているのです」
斧「どぅーゆーあんだーすたん?」
?「……のー、です」
斧「ちなみに、この会話は録音されていて、未来のおまえに見せます」
?「未来の僕って……。どんな人ですか?」
斧「外見はそれで、性格は傲慢です」




