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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
32/527

M-030 スペルランドミー


スペルランドミー

乱れ魔法攻撃




「乱射!」


 斧戦士がスキルを発動した。乱射、SP50、ランダムに六回当たるスキルだ。

 敵が多すぎると当たらないこともあるので、基本、一体の敵に対して六回攻撃のスキルとして扱われる。

 しかし、この日は違った。倒しても倒しても沸いてくる雑魚敵。痺れを切らしたSKのメンバーが全体攻撃を解禁したのはいつからか。


「ひょえー後ろから弾?がヒュンヒュン言うー」


 魔法使いがびびっている。後ろから猛スピードで迫ってくる小さいなにか。まあ、怖がらずにはいられないだろう。


「大丈夫だ、システムは当たらないと言っている!」

「というか、味方に当たるシステムが作られてないっていうか」

「誤射とか作るだけ面倒そうだ。仲間が前にいるかどうか判定しなきゃならんし」

「だいたい弾の軌跡が急カーブを描いている時点でファンタジーとしかいいようがない」


 まっすぐ飛ばない弾。別名、ホーミング弾とも。斧戦士は命中率アップを付けているので、よく当たるのだ。よく当たりすぎるとも言う。


「ボクらはほら、もともと後ろでビーム飛び交うバトルから来たから」

「銃口からビームが、うごご」

「飛び道具をビュンビュン飛ばしすぎなオレぃ」

「自分の投げた弾に当たる」

「それはない」

「凄腕という設定だからな」

「設定ね、設定」

「設定を強めて言うな!」


 敵と戦っているのを忘れそうな応酬である。

 この間も雑魚は湧き続け、既に斧戦士は銃から斧に切り替えている。全体攻撃の斧一閃だ。SPは20。どう考えてもこっちの方が効率が良いよね。いや最初は六体しかいなかったのよ。それで乱射で倒せたらラッキーだなって。

 結果?結果はさんざんだった。二体しか倒せんかった。半数以下とかもう笑うしかないだろ。


「地の文担当の人、少し落ち着け」

「ぶっひゃっひゃっひゃ。泣ける」

「魔法使いおまえ……」

「笑ったうえに泣いたぞ、コイツ」


 ぶっひゃっひゃっひゃ。


「そんな苛立ちを魔法にしてドーン! ランダムエナジーフォース!」


 説明しよう。ランダムエナジーフォースとは、乱射の魔法攻撃バージョンのこと。効果は驚きの24回攻撃。魔法使いと地の文担当さん怒りのパワーが成せる技だ。


乱れ魔法攻撃(スペルランドミー)!?」

「なんだその……せつなさ乱れ打ちみたいな」

「これは怒り乱れ打ちだよね」


 のんびりと会話が進む裏で、魔法の一撃を食らった敵がバタバタと倒れていく。中途半端なダメージでは倒しきれず、増えていく一方だった敵が、消えていく。


「ぎょわー」

「ぎょわーがなんじゃ、食らえっ」


 魔法使いはうなるうなる、たくさんの雑魚敵を片付けた。片付けて片付けて、とうとう一匹もいない状態まで追い詰めた。

 残るはボス一人だけだ。斧戦士が肉薄し、ベルセルクアタックで始末する。

 やったのだ。とうとう敵を倒したのだ。

 喜びに湧くスカイアドベンチャーの後ろで、倒したはずの敵がむっくりと立ち上がる。第二形態かと、迎え撃つ構えを解かない五人の前にそのテロップは出た。


≪インフィニティサモンを仲間にしますか?≫


「テイム……だって?」






魔「結局、せっかくの機会なので、テイムしました」

ア「名前はインフィちゃん。これからビシバシ鍛えてあげるから」

魔「この子は最強のテイムモンスターに仕立てあげるだ。誰にも邪魔させないよ」

斧「絶対防御とか覚えさせたら面白そう」

魔「まずはレベルをガンガン上げてステータスを積み上げるのだ!」

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