M-303 ラインメイズ
ラインメイズ
迷路を作ります
「はあ。恐ろしい目に遭った……」
舟長がつぶやいている。
場所は、スカイアドベンチャーのおうち。
の、リビング。
この間から、肉壁ダンジョンされ続けた、魔の部屋でもある。
「ふえっくしょい! 呼んだ?」
「魔の部屋ってそういう意味じゃねーよ」
おかしな勘違いをした魔法使いを放置していたら、彼女はなんだかおもしろそうなことを始めた。
ミラーライトを自力で作ったと思われる模型に流しているのだ。
魔法使いがそっと模型をはずす。
すると、ミラーライトは分散せず、その場に残って、模型通りくるくる回っている。
「よし。次は……」
「それ、こないだの四角い枠組みか?」
「うわ、びっくりした!」
「いや、だいぶ前から居たし、さっき話しただろ」
「そうだっけ?」
忘れがちな魔法使いは首を傾げた。
その間も、ミラーライトはくるくる。
模型をかたちどるように、回っている。
「そうだよ。舟長が取り残された、クリアフロアの場所を示すために使ったの」
「そうか、ケンカ売ってんだな? この、この」
「ほげー! 何をするか! 助けて、斧戦士さーん」
「魔法使いさんの危機に参上、斧戦士マン! 死ねっ舟長!」
「ダークヒーローにもほどがある!」
投げられた斧から、必死に逃げる舟長。
しかし、命中率に定評のある斧戦士からは逃げられない。
すっぱり身体を斬られて、舟長は床に転がった。
その間も、ミラーライトはくるくる。
模型通りにくるくる回っていた。
魔「結構、持つね」
斧「効果時間、長いね」
ア「あのー、舟長が死んでるですけど」
剣「うわあ、こりゃすっぱり斬れて」
舟「感心してないで、回復してくれ!」




