M-301 ローラーファイア
ローラーファイア
じゅーっとこんがり焼きます
「今日は、最初から肉壁スタート!」
「うーん、気持ち悪い」
そんな二人の会話から始まった場所は、当然、肉壁ダンジョン。
相変わらず、丸のみ設定なのか長い一本道が続いている。
奥から、ダンジョンを生成した斧戦士が現れる。
「二人ともあっちにいるよ」
「そうなの? じゃあ行こうか」
「いや、ここに三人いるんだから、連れて来たほうが早くね?」
舟長がそう言ったが、二人は既に歩き出していた。
舟長は黙ってついていくしかない。
こんな肉壁ダンジョンに、ひとりで取り残されるのなんか、絶対お断りだ。
「よお。今日はどんな魔法を見せてくれんるんだ?」
「はあ、この壁とか触ったら、取り込まれちゃうのかな……」
「瞬間的に凍らせれば、とりあず安全じゃね?」
雑談を始めた三人をスルーして、魔法使いは前回のように、杖を構える。
振り返って、斧戦士を見た。
魔法使いをガン見していた斧戦士と目が合う。
「ここでいい?」
「あ、ちょっと待って。足場を減らす。……はい、いいよ」
「行くぞい! ローラーファイア!」
炎が八つ現れて、上下に分かれた。
ゆっくり、前進していく。
天井と床がしっかり焼けて、足場になっていた。
剣「天井まで焼いた理由はなんだ?」
魔「途中でびっくりして飛び上がっても、取り込まれないようにしてあるの」
ア「さっき、斧戦士が足場って言わなかった?」
舟「もういっそ、動く足場を作っちまえば?」
斧「そこの二人、安全地帯から突き落とされたいの?」




