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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
304/527

A9-287 クロースコレクション(邪)


クロースコレクション(邪)

ただの嫌がらせ




「やあ、サンドバッグ」

「超ニコニコしてるんですけど。何の用でございますか」


 サンドバッグと呼ばれた男は、牢屋の奥から返事をした。

 鉄格子を挟んで反対側には、緑髪の青年が魔法具を持って立っていた。

 その魔法具はジェムという安価な素材で出来ていて、使い捨てである。


「また彼女が作った魔法具かよ?」

「そうだけど、おまえにはやらない」

「えっ、じゃあ、なんでここに来たの」

「いいニュースを伝えるためにな」


 男は頭のすぐ際に刺さった槍を見つつ、思った。

 悪いニュースですか、はいはい、分かりましたよ。

 青年に負けたことで牢屋に入れられた男は、頻繁に彼から嫌がらせを受けているのだ。

 串刺しになったり、変な液体で溶かされたり、プレスされたりした。

 死んだり、死んだり、死んだり、死んだりもした。

 しかも、最近は、夢のなかにまで侵入して、男の精神をむしばんでいる。


「この魔法具は、服を一瞬でしまうことができるんだ」

「性的犯罪が増えそうな魔法具ですね」

「一般には公開してないから、大丈夫だ」

「いや、オレにとってはなんにも大丈夫じゃない」


 冷や汗が垂れた。

 ちょっと前までは、夢のなかで大暴れしているだけだったのに、現実まで侵食しようとしている人物がいるのだ。

 ちゃんと実体化しているので、男は大迷惑をこうむっていた。

 夢の世界の住民ということで、殺しても殺しても出てくるし。


「それで、これをあの二人にあげました」

「ふざけんな、死ね」

「マジックアイテムなので、夢のなかでも使えるみたい」

「おい馬鹿やめろ」

「さらに、夢のなかの力、DP(ドリームポイント)でいくらでも出せるので、一個渡すだけで無限増殖します」

「過去に戻って、事実を取り消してやりたい」

「洗濯いらずだよ? 嬉しいだろ?」

「マジ死ね!」


 男は全力で叫んだが、青年は聞いてなかった。

 機嫌よく帰っていく青年を見て、男は諦めた。

 しばらく、眠らないようにしないと。






?「ドリームポイントってなんだよ! MPじゃねーの!?」

斧「うちはSP(スキルポイント)制です」

?「……MPって何の略なんだろう」

斧「魔法ポイント?」

?「すげー日本語的な……」

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