M-289 スキルリミット
スキルリミット
一つ前に使ったスキルの確率を上げる
「『斧戦士と奮起』で使用されたスキルを解説するコーナーだよ!」
「今日はスキルリミットだったな?」
「そう、スペルガーディアンの効果を確率20%を100%に上げた正体は、このスキルなのだ」
魔法使いが、自分で作った魔法でもないくせに、ふんぞり返って威張った。
「すると、なんだ。HPを犠牲にして自分を強化するスキルなのか?」
「そうだね、一種の補助魔法だと思うよ」
「補助スキルな」
舟長の指摘に、魔法使いは眉根を寄せる。
細かい男は嫌われるぞ!
舟長の恋人であるアサシンが、後ろからそっと舟長を締め上げた。
「はい、魔法使いちゃん。いいよー、好きにしゃべって」
「ちょ、あさし……、HPがっ、減ってる、減ってるから!」
暴れる舟長をおさえつけて、アサシンはにんまり笑う。
魔法使いは思った。頑張れ、舟長。
「それで、スキルリミットはどんな風に使うんだ? 確か対戦では、このあとに数字を言ってたよな?」
「そう。確率上昇には五つの段階があって、①が最低、⑤が最高ランク。最大五倍までなるみたい」
「ちなみに、①はHP満タンでも発動するが、効果低め。⑤は高い効果が期待できるが、HPは常に1/5じゃないと効果発揮しない。そんな仕組みみたいだよ」
「つまり、体力の量によって効果が変わるんだな?」
「うん。もしHPが回復する装備を身に付けてたら、やばかったかもね」
魔法使いの言葉になにやら思いついたらしい斧戦士。
どこかへでかける準備をしている。
「どうしたの? 斧戦士さん」
「ちょっと対戦やり直してくる」
「は? リガット先生との対戦をか?」
「ああ、こっちからヒールをかけてやれば、延々と試合が楽しめるってことだろ?」
魔「どうしよう。明日、リガット先生休みだったら」
剣「あいつのせいだから気にすんな。ただ、さすが外道枠だぜ。考えることが違う」
ア「勝てないけど、負けも来ない試合かあ。血だらけよりトラウマになっちゃうかもね!」
斧「あ、忘れ物した」
舟「何忘れたんだよ……って武器忘れるな!」




