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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
300/527

M-289 スキルリミット


スキルリミット

一つ前に使ったスキルの確率を上げる




「『斧戦士と奮起』で使用されたスキルを解説するコーナーだよ!」

「今日はスキルリミットだったな?」

「そう、スペルガーディアンの効果を確率20%を100%に上げた正体は、このスキルなのだ」


 魔法使いが、自分で作った魔法でもないくせに、ふんぞり返って威張った。


「すると、なんだ。HPを犠牲にして自分を強化するスキルなのか?」

「そうだね、一種の補助魔法だと思うよ」

「補助スキルな」


 舟長の指摘に、魔法使いは眉根を寄せる。

 細かい男は嫌われるぞ!

 舟長の恋人であるアサシンが、後ろからそっと舟長を締め上げた。


「はい、魔法使いちゃん。いいよー、好きにしゃべって」

「ちょ、あさし……、HPがっ、減ってる、減ってるから!」


 暴れる舟長をおさえつけて、アサシンはにんまり笑う。

 魔法使いは思った。頑張れ、舟長。


「それで、スキルリミットはどんな風に使うんだ? 確か対戦では、このあとに数字を言ってたよな?」

「そう。確率上昇には五つの段階があって、①が最低、⑤が最高ランク。最大五倍までなるみたい」

「ちなみに、①はHP満タンでも発動するが、効果低め。⑤は高い効果が期待できるが、HPは常に1/5じゃないと効果発揮しない。そんな仕組みみたいだよ」

「つまり、体力の量によって効果が変わるんだな?」

「うん。もしHPが回復する装備を身に付けてたら、やばかったかもね」


 魔法使いの言葉になにやら思いついたらしい斧戦士。

 どこかへでかける準備をしている。


「どうしたの? 斧戦士さん」

「ちょっと対戦やり直してくる」

「は? リガット先生との対戦をか?」

「ああ、こっちからヒールをかけてやれば、延々と試合が楽しめるってことだろ?」






魔「どうしよう。明日、リガット先生休みだったら」

剣「あいつのせいだから気にすんな。ただ、さすが外道枠だぜ。考えることが違う」

ア「勝てないけど、負けも来ない試合かあ。血だらけよりトラウマになっちゃうかもね!」

斧「あ、忘れ物した」

舟「何忘れたんだよ……って武器忘れるな!」

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