M-287 クロースコレクション
クロースコレクション
吸引力すごいよ
「今日も暑いね」
「暑いねー」
「おまえらの様子のほうがよっぽど暑いわ!」
仲良く話す二人を叱りつけたのは、舟長。
彼も恋人を持つが、普段あまり甘やかな雰囲気にならないせいか、こんなやりとりに憧れているらしい。
「おい、ねつ造するな」
「どったの、舟長。虚空を見上げて」
「あ、いや。なんでもない」
その恋人、アサシンが出てきてしまったから大変だ。
舟長はなんとか証拠隠滅しようとしたが、見えるものの触れないものをどう隠すというのか。
同じく虚空を見上げたアサシンは、文章を見て笑った。
「えへへ。舟長、ねえ、これどういう意味?」
果たして本当に笑っているのだろうか。
再び亀裂の入りそうなカップルは置いといて、もう一つのカップルは実に平和だった。
「あのねー、魔法作ったの」
「どんな?」
「服を一瞬でしまう魔法!」
自信満々のご回答に、彼は困った。
「……用途は?」
「すぐシャワーを浴びたいときとか?」
斧「魔法使いさんは無邪気で可愛いなあ」
舟「その魔法具、どこに持っていくつもりだ?」
斧「サンドバッグにプレゼントしようかと思って」
舟「マジ、こいつ、悪意しか感じられない」
魔「服を出すときは、ジェムを砕いてね」




