M-286 プレゼントラン
プレゼントラン
贈り物を転送
それは、とても暑い日のことであった。
学園から帰って来た少女、魔法使いは汗だく。
いますぐシャワーを浴びて、ごろごろしたかった。
学園の教師が何故か軒並み休んで、午前授業だけだったので、まだ昼前なのだ。
「えーと、着替えとタオルと……」
二階の自分の部屋まで駆け上った彼女は、タンスを掘り起こす。
額からあごに汗がしたたり落ちる。
目的のものが見当たらないので、魔法使いは一旦撤退。
なに、最悪タオルを巻いておけば、なんとかなるだろう。
来客が来るとはまったく考えない、お気楽思考である。
「よいしょっと」
魔法使いは汗でべたつく服をなんとか剥がし、すっぽんぽんになることに成功した。
そのままお風呂場に入り、これまた汗でべとべとの髪をほどく。
「あー、暑かった」
ほっと、一息。
魔法使いはシャワーを浴びた。
髪の毛をほどいたついでに髪の毛も洗う。
「さっぱりした! さあ出よう」
すっかり元気になった魔法使いが、脱衣所で見たものとは。
一式揃った、着替えであった。
魔「斧戦士さんかな?」
ア「ぶっぶー。ボクだよ」
舟「はあ、暑いのは分かるが、一人で風呂に入るなよ。不用心だぞ」
斧「大丈夫、いざってときのために、分体は配置しておいた」
剣「着替えがないときは動いてくれないのかー」




