M-285 マジカルクロース
マジカルクロース
直訳:魔法の布
「ごめん! ほんと気が付かなくて……!」
「平気だよ。もう治ったし」
アサシンから平謝りの刑に処される魔法使い。
実は、魔法を使った仮病だったのだ、とは言えないから辛い。
魔法使いは話題を変えた。
「あのとき、服をチェンジする魔法を作ろうとしてたよね?」
「う、うん」
「実はもう完成しているのだ。という訳で、早速、披露!」
魔法使いがお手製の杖を振るう。
黄色い星のついた、柄の短い杖。
まさに彼女は、絵本に出てくる魔術師のようだった。
「マジカルクロース!」
煌めく魔法の粉がアサシンにかかって……。
「わあ……ってこれ――!」
「ウェディングドレス! だよ!」
「まだ早いよ、ボクたちには!」
「ええー。大丈夫だって、舟長に見せてきたら?」
「う、うん」
階段を降りていくアサシンに、一言。
魔法使いは、この魔法の最大のデメリットを伝える。
「ただし、十二時間後には自動で解けるから注意ね!」
「シンデレラシステム!?」
舟「えっ、ウェディングって、あの、もしかして……」
ア「着てみただけだから! 着ただけ!」
魔「かぼちゃの馬車を用意せい!」
斧「今週の舞踏会は何日かな?」
剣「アサシンには相手いるから、舞踏会行く必要なくね?」




