M-284 ホット&コールド
ホット&コールド
魔法使いが急に重病になった理由
「ふふふ、この魔法さえあれば、学校休みたい放題さ!」
「うん、まずはその弱々しい声をなんとかしようか」
ここは、斧戦士の部屋。
熱で倒れた魔法使いは、自分の部屋ではなく、ここに倒れ込んでいた。
「うーん、うーん」
「……学校休みたいなら、いくらでも手段はあるのに」
斧戦士はうなる魔法使いに囁く。
「おれが学園ごと破壊すれば、二度と学校になんか行かなくていいよ」
「斧戦士さんはそうしたいの?」
「……魔法使いさんが望むのであれば、今すぐにでも」
「うふふ。壮大な夢」
「……今の、寝言?」
魔法使いは答えない。
斧戦士が確認すると、彼女は寝息を立てていた。
「……よく寝られてるみたいだし、すぐによくなるかな」
「むにゃむにゃ」
「さて、魔法使いさんが身体を張ってまでこうしたんだから。下のカップルは元通り、にしないと」
分体を生成して、魔法使いに添わせると、自身は下の階へ降りていく。
まずは舟長をとっ捕まえないと。
斧戦士は薄く笑みを浮かべた。
剣「おーい、大丈夫か?」
魔「へーきへーき。もう大丈夫」
剣「無茶すんなよ」
魔「あれは魔法で引き起こした病なの。ディスペルで治るよ」
斧「ただし、ディスペルで剥がしても、しっかり具合悪くなるので、使用には注意しよう」




