M-281 カラーチェンジ
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着せ替えゲーム
「ねえねえ、アサシンちゃん」
「なに?」
「気軽にイメチェンできる魔法があったら、良いと思わない?」
そう言って魔法使いが提案したのは朝のこと。
朝食を食べ終わると、二人はこそこそ二階へ上がり、昼になっても降りてこない。
心配した剣士が舟長を遣わすと、そこには意外な光景が広がっていた。
「……どちらさまですか?」
マヌケな挨拶をしたのは、舟長。
こともあろうか、長年組んでいる仲間や、恋人の顔が分からなかったのだ。
「舟長、ケンカ売ってんの?」
「いや、違うんですアサシンさん、別人に見えるくらい様変わりしましたね、という意味であって」
「ふーん。別人ねえ」
「斧戦士さんに見せてくるー! ふがっ」
「斧戦士なら後ろにいるけど、って、もう捕まってた」
斧戦士は、自身が最愛する魔法使いの顔を見間違えたりしなかった。
「魔法使いさん、大丈夫? まほ……魔法使いさん、その髪の毛どうしたの」
「ほれ、見ろ! 斧戦士だって一瞬迷ったぞ!」
「へえ。言いたいのはそれだけ?」
アサシンは、女子会に乗り込んできた舟長に怒り心頭である。
どこから取り出したのか、ダガー片手に、舟長に迫る。
「タンマ! ちょ、待って! もう少し弁解させてくれ!」
「これー? 魔法で染めたように見せてるの」
「幻覚の一種か。なるほど、だからアサシンとの共同開発なんだな」
ほのぼのと話を続けるこちらのカップルと、奥のほうでもめるカップル。
その温度差といったらもう、すごいものだ。
冷気を漂わせる恋人に耐えられなくなり、舟長は扉をばたんと開けて飛び出していく。
アサシンはがっかりした。
「そんなに似合わないかなあ……」
剣「おお、アサシン、涼しそうな色合いだな!」
ア「ホント? ありがとー。舟長ったらさー、逃げちゃったんだよー、ひどくない?」
剣「その頭を見てか? 甲斐性のない男だな」
ア「でしょでしょー? もう、舟長ったらしばらく許してあげない!」
剣「……可哀想なヤツ」
ア「ちょっと髪の色を変えただけなのに……」
斧「ちなみに、普段のアサシンの髪色は紺だ」
剣「今は水色っていうか、氷みたいな綺麗な色だぜ」
魔「いつも身体的な特徴を描写してないから、分かりにくかったね、ごめんね」




