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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
29/527

M-027 ヘアセット


ヘアセット

髪型を変える魔法




「ヘアセット!」


 ぼかーん。

 ある日、魔法使いの部屋から爆発音が聞こえた。ヘアセットという掛け声とともに。仲間たちは直ちに駆けつけた。何故か無傷な部屋のドアを開け、中を覗き込むと……。

 そこにはアフロヘアーになった魔法使いがいた。


「そういうオチか」

「待って、それにしては尺が短い」

「メタいぞ二人とも」


 好き勝手に言う仲間たち。

 魔法使いは泣いていた。

 魔法がうまくいかなかったのだ。こんなことは初めてだった。

 発動しないことはいくらでもあったのに、発動すればどれもちゃんと言うことを聞いたのに。


「うわーん」


 アフロヘアーのまま泣き続ける魔法使い。爽やかな秋の風が通りすぎていった。


「終わらないよ!」


 斧戦士とお風呂の効果によって、派手すぎる寝癖程度に落ち着いた魔法使い。

 斧戦士は多芸キャラで落ち着きつつある。


「どうした急に」

「わたしはこの魔法を使いこなしてみせる」

「おお、魔法使いが立ち直った」

「そして爆発オチ以外の未来を見付けるのだ!」


 魔法使いが拳を天井に突き上げると、斧戦士を引っ張って……引っ張っていけなかった。魔法使いはそりを持ってきた。乗せようとした。腕力が足らなくて斧戦士を動かせない。

 最終的にお願いして斧戦士とともに歩いていった。

 ステータスと重さの概念がこんなところで出るなんて。魔法使いはまたにしても泣いた。


「できたー!」


 爆発音が聞こえること三回。二時間後の魔法使いは雄叫びをあげながら下りてきた。斧戦士はゆっくり黙って下りてきた。


「ヘアースタイルセットオン!」

「ほほう」

「そして崩します」


 二つ縛りにしていた髪を下ろす魔法使い。縛っていたゴムは机に置く。さあ、今こそ叫ぶとき!


「ヘアセット!」


 がちゃこん。何かのスイッチが入った音がして、魔法使いの髪がぐんぐんうねり始める。あっという間に二つ縛り……さきほどの髪型が再現されていた。

 右が微妙にうまくまとめきれてないところまでそっくりだ。


「スタイルをオンしとくのと、道具を用意しておくのを忘れると、爆発してアフロします」

「アフロは動詞だったのか」

「バカなこと言わないの」

「さらさらロングも再現されるのか?」

「櫛を用意するのを忘れずにね!」


 でないと爆発してアフロヘアーがセットされます。

 それでもいい人は何のスタイルもセットオンせずに、ヘアセットと唱えましょう。宴会一発芸用のヘアスタイルに早変わりです。






魔「チリチリになってしもた」

舟「またばあ」

斧「スラッシュ!」

舟「ぐあー」

魔「マタバグアー? 新しいモンスターの名前か!?」

剣「そういや今回斧戦士、なんかしたの?」

斧「いま舟長に鉄拳食らわしたぐらい」

ア「連れてかれただけだったか」

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