M-280 ソードビーム
ソードビーム
レーザーも出そう
「見て見て、こないだダンジョンで拾った武器!」
「クリスタル製の……? ああ、能力値が微妙な剣だろ?」
緑色に輝く刃を持った剣。
それを掲げて大喜びをしているのは、魔法使い。
魔術師の魔法使いだ。
得意げに自慢されている男、舟長はいつもに増して怪訝な表情をしている。
「それがどうしたんだよ」
「言うより見たほうが早い! えい!」
魔法使いは剣を振った。
舟長はなんなく剣を避け、直後に迫った謎の光もなんとか避けた。
光はまっすぐ飛んでいって、壁に当たって轟音を響かせた。
「相変わらずあぶねーな」
「ビーム出たでしょ?」
「オレに対する謝罪はないのか」
「え?」
会話がドッチボールである。
「で、なに? ビームが出る魔法を、剣に付与するとこうなるワケ?」
「ううん。それじゃうまく行かなかったから、専用の術式を作って、クリスタルの中に埋め込んだよ」
「ふーん。能力値は?」
「いじってないよ」
舟長はこの物珍しい剣――もはや魔剣と言っても差し支えないかもしれないそれを、しげしげと眺めた。
ビームは便利かもしれないが、能力値が低すぎて、恐らく自分たちでは使わないだろう。
「じゃあ、若い冒険者に高く売りつけるかね」
ア「9,999,999ゴールドとかやめてよ」
舟「そんなアホみたいな値段付けねーよ!」
魔「最低レベルのアイテムに、カンストレベルの値段付けるヤツ、あるあるだよね」
斧「一方で、最高ランクのアイテムは、同値段でも売れていくのだから不思議」
剣「レア度とか希少度とかの関係かね」




